米ラスベガスで年初に3,000社が参加した世界最大の家電製品の見本市CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)2014で注目を集めたのは家電よりもむしろ「自動車」だったと言います。
日本最大の家電メーカー、パナソニックも車載機器など自動車関連製品を出展。
同社はこの先、自動車のエレクトロニクス化が加速するのを見据えて事業の主力を不振が続く家電分野から自動車関連製品にいち早くスイッチ。
2013年のCESで津賀社長は自動車関連部門である「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」に於ける取り組みをアピールしました。
(動画の中程より)
今年2月4日にパナソニックが発表した2013年度第3四半期(10~12月)決算で同社の営業利益が前年同期の3.4倍となる1166億円と、市場の予想を大きく上回った事を受けて株価が一時、前日比で+22%高と急騰。
エレクトロニクス事業に於けるリストラ効果で黒字基調が定着したのに加えて自動車関連事業の伸びが今では同社の大きな原動力となっているようです。
カーナビなどの車載機器が自動車メーカーの生産拡大で伸び、高級EVメーカーでお馴染みの米テスラ・モーターズ向けの2次電池のも増産も奏功。
おりしも大手自動車メーカー各社は安倍内閣の成長戦略に盛り込まれた「自動運転」技術の実現に向けて取り組んでおり、国土交通省は2020年初頭に高速道路本線上での自動走行を目指しています。
既に日産は2020年までに自動運転車を量産販売する方針を表明しており、以前にお伝えしたとおり、「想定外」条件の潰し込み段階に入っています。
このように今後の自動車には高度なエレクトロニクス技術が必須の状況で、将来的に完成車メーカーとしての事業体系にも変化が起きる可能性が有ります。
自動車各社の強みと言えば、長年に渡って培って来た「エンジン開発技術」や万が一の衝突時にも乗員の安全を確保する「ボディ開発技術」、走る、曲がる、止まるをつかさどる「シャシー開発技術」などがあげられます。
その一方で中国を見れば判るとおり、今後EVや燃料電池車などの次世代環境対応車の普及が進むにつれて他業種には手が出せなかった「エンジン」はその姿を「モーター」に変え、自動車産業への参入の敷居が低くなりつつあるのも事実。
かつて家電産業の花形だった大型液晶TVやパソコン事業衰退の原因がアジア諸国からの安価な製品台頭によるコモディティ化(差異化が困難)だったように、10年後には自動車製造業もいつまでも安泰とは限りません。
現に自動車産業とは無縁のGoogle社がいつの間にか「自動運転」の技術を開発した会社として認知されるまでに成長。ベンチャー企業のテスラ・モーターズも然り。
こうしたことから、今後益々「自動車」と「家電」業界は切っても切れない関係となり、開発効率の観点から言えば「競う」のでは無く、むしろ「融合」した方が良いのかもしれません。
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