BMW320dのディーゼルパフォーマンスをM3とサーキットで比較 ! 【動画】

「BMW Efficient Dynamics Day」が愛知県の三河湾に隣接する風光明媚なスパ西浦モーターパークで開催され、筆者も取材を兼ねて参加。BMWが自信を持って日本に投入した話題の「BMW 320d ブルーパフォーマンス」のポテンシャルをサーキットで試してきました。

力強いトルクや静粛性など、良い意味で「ディーゼルっぽくない」と評判の320dですが、スペックを見ると最高出力は2.0Lガソリンモデルの「320i」と同一の184psながらも、最大トルクは10kgm以上も上回る38.7kgmと強大で、兄貴分の「328i」をも上回っています。 

BMW 320d ブルーパフォーマンス

使用燃料は「軽油」でハイオク比で30円/L以上安く、しかも燃費は「320i」や「328i」を凌ぐ19.4km/L。車両価格はガソリンモデル同等グレードで +20~30万円までに抑えられています。これは確かに注目されるだけのことはありそう・・・ということで、今回の試乗でまずは「320d」をチョイス。

始動時のエンジンサウンドに低音成分が多いなどの特長はありますが、走り出すとズ太いトルクで前へ押し出されるイメージで、車内のエンジン透過音レベルもガソリン車とほぼ同等。

サーキットのストレートで軽く100km/hオーバーの実力を発揮。スポーツグレードでは無かったのでコーナーでのロールはやや大きめでしたが、キャビンの静粛性や加速性能も良好で特に違和感も無く、評判どおりの力強い印象のままサーキット周回を終えました。

そして今回、「320d」とTW(トルクウエイト)レシオが40.4kg/kgmでほぼ同一の「M3」クーペにも試乗することが出来たので、両車の動力性能を比較してみることに。 

BMW M3

420psもの最高出力を8,300rpmで発生する「M3」ですが、車重が「320d」より100kg重いことで、TWレシオでは両車互角ということなります。果たして320dとの実力比較結果や如何に?

 それでは試乗レポートを動画でご覧下さい。

さすがに「M3」はPW(パワーウエイト)レシオが3.9kg/psと、 「320d」の半分以下で車両価格も倍以上するだけのことはあって、高回転まで気持ちよく綺麗に吹け上がるNAエンジンと比較すること自体、無謀な気もしますが、なかなかどうして「320d ブルーパフォーマンス」もよく健闘してくれました。

 

静粛性はガソリンモデルとも大きな差は無く、特に中低速でのアクセル・レスポンスはビッグ・トルクの恩恵で「M3」に勝るとも劣らないフィーリングを持っています。

欧州ではBMWにしろ、VWにしろ、売れ筋は現在もディーゼル車が主流ですが、今回、最新作のBMW「320dブルーパフォーマンス」に試乗してみて、その進化ぶりに大いにイメージを塗り替えられた筆者でした。

今回インストラクターの運転でBMWの走りを体感する「サーキットタクシー」も並行で開催され、clicccarでもお馴染みのモータージャーナリスト菰田潔氏もBMWのディーゼルスポーツサルーン、「ALPINA D5ターボ」のドライバーを担当、BMWのディーゼル技術を中心としたトークショーでもクリーンディーゼルの普及に一役かっておられました。

インストラクターの菰田潔氏

読者の皆さんも機会が有ればBMWの最新ディーゼルモデル「320d ブルーパフォーマンス」の走りを体感されてみては如何でしょうか。ディーゼル車の概念が変わるかもしれません。

■BMW 320d ブルーパフォーマンス

【スペック】
直列4気筒 2.0L DOHCターボディーゼル
最高出力 184ps/4000rpm  
最大トルク 38.7kgm/1750~2750rpm
圧縮比 16.5

8AT 最終減速比 2.813
JC08モード燃費 19.4km/L
車両重量 1550kg
PWレシオ:8.4
TWレシオ:40.0
車両価格 470万円から

■BMW M3クーペ

【スペック】
V型8気筒 4.0L DOHC (NA)
最高出力 420ps/8300rpm 
最大トルク 40.8kgm/3900rpm
圧縮比 12.0

7AT 最終減速比 3.154
JC08モード燃費 9.3km/L
車両重量 1650kg
PWレシオ 3.9
TWレシオ 40.4
車両価格 1068万円

■取材協力 Taihei BMW
  http://www.taihei-bmw.co.jp/jp/taihei-bmw/ja/index.html

 (Avanti Yasunori) 

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この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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