フォルクスワーゲン 「ジェッタ ハイブリッド」がターボで武装して登場 !

年初にデトロイトモーターショーで公開されたジェッタのHV仕様車がいよいよ11月に北米で発売されます。VWは3.0Lクラスの大型SUV「トゥアレグ」で同社初となるHV車を発売済みですが、今回のジェッタは量販クラスでの投入。

ジェッタHVは燃費だけでなく、動力性能を武器にしており、最高出力150psの直噴4気筒1.4LTSI ターボ付きエンジンに最大出力27psのモーターを組み合わせて「システム出力170ps」を発生、7速DSGを介して0-100km/h加速は9.0secを切る実力とか。

VWは同車を「コンパクトクラス最速のHV」としており、先日さらにチューンしたモデルで最高時速300km/hを記録したことでも話題になったばかり。

ライバルとなる1.8Lエンジンを積むプリウスのシステム出力が136ps(0-100km/h:10.4sec)であることを考えると、ジェッタHVはターボ搭載により動力性能が25%も上回ることになり、燃費に加えて「走り」を重視するVWの思想が垣間見えます。

肝心の燃費は米国EPA(環境保護局)市街/高速複合モードが19.1km/Lで、プリウスの同21.26km/Lには及ばないものの、動力性能と走安性の良さで勝負をかける模様。

アイドリングストップ時もヒーター、エアコン、オーディオなど、快適装備は作動、再発進時もエンジンは停止したままで、まずEVモードが選択されるのが特徴。

車速70km/h以下で最長2.0kmのEV走行も可能で、「セーリング」モードでは高速走行中、135km/h以下でドライバーがアクセルペダルから足を離すと、エンジンが自動停止して滑空走行に。インテリアにはHVシステムの作動状況や電池残量を表示するモニターを装備。

安全面ではESP、ABS、6つのエアバッグ(運転席/助手席エアバッグ、フロントサイドエアバッグ、カーテンエアバッグ)を全車に標準装備。さらにオプションで、リヤシート用のサイドエアバッグを追加することも可能。

ちなみに米国での車両価格はプリウスが$24,000(約192万円)からで、JETTAは$24,995(約200万円)から。

街中では低燃費を実現しながらも、加速時にはターボエンジンのパワフルさでクルマ本来の走る楽しみが味わえるジェッタHVは有る意味、理想的なエコカーと言えそうです。

2013年にはVWの他にもFORDやHYUNDAIからも競合HV車が続々参入してくると予想され、米国に於いてもHV車戦線が加熱しそうな雰囲気になって来ました。

日本では導入が見送られている現行ジェッタですが、もし今回のHV版が導入されるとなれば大いに注目されるに違い有りません。

■VW USA ジェッタ公式HP
  http://www.vw.com/en/models/jetta/gallery.html

■VW USA HV関連HP
  http://web.vw.com/hybrid/

 (Avanti Yasunori)  

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この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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