シルバーアローのF1マシンがアウディに戻ってきました

シルバーアローといえば、メルセデス・ベンツのレーシングカーという印象もありますが、20世紀前半のナショナルカラーでレースが争われていた時代には、ドイツのメーカーのマシンはすべてシルバーアローでした。

アウディの前身といえるアウトウニオンが1934~1939年に走らせていたグランプリマシンも、そうしたシルバーアローのひとつ。フロントエンジンのメルセデスに対して、リヤ・ミッドシップに12/16気筒のエンジンを載せたアウトウニオンのマシンは、当時にして380km/hを記録したといいます。

さて、そうしたアウトウニオンのグランプリマシンは、第二次大戦後の占領、清算によって失われてしまったといいます。

その後、様々な経緯を経てアウトウニオンのグランプリマシンたちは徐々にアウディの手元に戻ってきました。そして、ついに1939年式アウトウニオン・タイプD ツインスーパーチャージャーもアウディは手に入れました。これにより、3台のグランプリマシンが揃ったといいます。

第二次大戦後の占領で失われた3台のマシンが、戻るべき場所に戻ってきた、ということです。

なお、この1939年式アウトウニオン・タイプDツインスーパーチャージャー、2012年9月15日からイギリス・グッドウッドで開催される「グッドウッド·リバイバル」でデモ走行を行なう予定とのことです。

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
続きを見る
閉じる