トヨタが「キリギリス」をヒントに開発するものとは?【自然界から学ぶクルマ製品開発】

昆虫の「キリギリス」っているじゃないですか。イソップ寓話の「アリとキリギリス」で夏の間遊んでばかりいて、冬になって食べ物が無くなって、アリに助けられるダメな方です。

実際の「キリギリス」は、全然ダメじゃないんです。ダメどころか、足裏にジャンプ力を生み出す秘密の構造があることが分かり、トヨタが製品開発のヒントに使っているそうです。

 

「キリギリス」の足裏は、六角形がタイル状に規則正しく配列された模様になっており、安定した動きができるようになっています。 トヨタは、この構造を低摩擦材料としての実用化を目指し開発を続けています。乾いた路面で模様のないシリコンは、摩擦により滑ったり止まったりを繰り返すのに対し、「キリギリス」の足裏構造と同じ模様にすると、スムーズな動きと濡れた路面での横滑りを防止する効果が確認されています。

具体的には、エンジンのピストンやシリンダーなどの摺動部へ適用できるとトヨタは判断しています。効果はすでに実験によって確認済みで、数年後には実用化されるそうです。この低摩耗材を使用することにより、更なる燃費の向上が期待できます。

「キリギリス」のおかげで車の燃費が向上するなんて面白いですね!

(武井 正行)