1966年10月20日、今から50年前にカローラが登場したわけですが、その登場は衝撃的でした。その後、しばらくのモーターショートレンドを作り出したといっても過言ではなかったのです。
東京モーターショーの第一回は、1954年に全日本自動車ショウとして開催されました。開催場所は日比谷公園で、なんと野外だったのです。その翌年のショーで初代トヨペット・クラウンが発表されることになります。1958年には一度、後楽園球場で開催され、その翌年から晴海の大きなドームで有名だった国際見本市会場で開催されることになったのです。
そして1966年に颯爽と登場したのがトヨタ・カローラでした。この年はプリンス自動車からは御料車のロイヤルがお披露目され、いすゞ自動車からは117クーペのプロトタイプである117スポーツが展示されました。
また、トヨタ2000GTの翌年からの発売がアナウンスされ、同時に日本ロケとなった映画007シリーズ「007は二度死ぬ」で登場するボンドカーである2000GTのオープンモデルも展示されました。ここで1967年に発表される2000GTと映画の紹介がされたのです。
そしてメインブースに飾られたのが、最新の国産車「カローラ」でした。展示車は、中央から真っ二つに分かれ、エンジンや足回り、室内をしっかり見せる展示となっていました。
これまでも、内部の構造を見せるスケルトンモデルは、日比谷時代のスカイラインのお披露目などから行なわれていますが、普通の車が分解してしまうのは驚きでした。
そしてこの後の数年は、こうしたトランスフォームに近いことがブームとなり、いろいろな展示がなされました。第14回ではトヨペット・クラウンが、第15回では三菱コルトも分解して見せました。
中でもその後の注目は、第15回の日産ローレルと、同ショーのスバル1000だったかもしれません。実は、現在でもコンセプトカーが前後ドアを両開きとして大きく開きますが、それも同じような考え方の演出で、観客へのサービスでもあるのだそうです。
この驚きの展示でカローラは一躍話題となったのです。こうして、初代カローラのローンチは滞りなく行なわれ、現代に至る50年の歴史を刻むことになったのです。
(文:10/24発売 歴代カローラのすべて/松永大演)
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