今回試乗したEVのスマートは第2世代と言われるもので、今年中に発売を目指すスマートのEVであるエレクトリックドライブとは内容が違います。
たとえばバッテリー。第2世代は米テスラからマネージメントシステム込みで導入していますが第3世代ではグループ会社で製造とのこと。いわば内製です。そしてモーターは現在30kwですが第3世代は55kwと、ほぼ倍の出力となります。
充電に対しても現在の第2世代はコンセントから直接、1本のケーブルで充電されますが、第3世代は日産リーフと同じパナソニック製の安全装置がケーブルの中間に設けられます。
しかし、第3世代であっても装着されない機能があります。それは急速充電器対応の充電アダプタ。
筆者としてはスマートのEVに急速充電器対応は必要ないと考えていますが、多分、実際の発売発表の際にこの部分を多くのメディアは突っ込んでくるだろうな、と考え、メルセデスベンツ日本の小西氏に個別に聞いてみました。
--急速充電器に対応させなくて大丈夫ですか?
「直流で大きなアンペアを流す急速充電はバッテリーにかなりの負担になります。だからできる限り急速充電は使わないほうがいいのです。それに急速充電はグローバルで見ると統一された規格が無いので、どの方式が一番いいのかということも検討の余地が多すぎます。それにスマートエレクトリックドライブの場合は一番想定されるユーザー層がすでにメルセデスベンツをお乗りの方々ですので、急速充電が必要な長距離を移動される場合はメルセデスベンツをお乗りいただくことが多いと考えます」
つまりはメルセデスベンツのクリーンディーゼルとスマートのEVを 使い分ければ急速充電は必要ない、ということなのですね。都市内交通に特化したスマートのEVならではの使い方です。
つづく
(北森涼介)