街中で運転していると、ほぼ毎回と言っていいほど遭遇する救急車。
お世話になりたくはないですが、人命を救う大切なクルマ。
救急車と言えば、特殊車両ですが、救命救急の為の装備だけでなく実はクルマそのものも、ベース車両から大幅に変更されている部分が多いのを御存知ですか?
今回はそんな知られざる救急車の代表格、トヨタ高規格救急車、ハイメディック初代モデルを取り上げてみました。
ベースとなったのは100系のハイエースバン スーパーロングハイルーフ。
写真を見てお分かりのように、回転灯の装備を除いても、細かい所が違います。
まずフロントマスクはバン用からワゴンスーパーカスタム系のマスクに変更され、パッと見はグランドキャビンがベースと思わせる外観ですが、ドアハンドルやリヤ周りはバンそのもの。
内装もドアトリムやシート等、バン系の物を使っており、一見するとスーパーロングバンに救急車架装をして、フロントマスクをワゴンに変えただけのように見えますが、ベース車からの最大の違いは・・・
当時セルシオに搭載されていた、1UZ-FE V8エンジン。
実はひっそりとフロントマスクにV8エンブレムが装着されており、初めて見たときは、何かの悪戯かと思ったほどでした。
これはハイエースのワゴンにも設定の無かったもので、エンジンそのものもセッティングは救急車専用セッティング。
セルシオに搭載されていた1UZ-FEエンジンは260ps仕様の物でしたが、ハイメディック用は220ps。
これが初代ハイメディックがV8救急車と呼ばれる所以です。
ワゴンマスクに、バン内装、専用エンジンと、かなりマニアックな組み合わせに、知る人ぞ知る名車と言われています。
現在初代ハイメディックは第一線を退き、予備車や廃車になったり、劇用車として払い下げられたり、中にはマニアな方々が払い下げの中古を個人所有している物もあるようです。
救急車架装の中には手洗い用の水栓などもついており、キャンピングカーベースにもよさそうです。
ワゴン仕様や、バン仕様にV8の設定の無い所に、トヨタの拘りが感じられる1台でした。
(井元 貴幸)
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