僕らのスマート、smart for-usが、年明けに北米デビュー

ニッポンは東京モーターショーで盛り上がっている12月、すでに世界の目は次のビッグショー「デトロイトオートショー(2012年1月14~22日)」に向かっています。

 

ダイムラーグループのスマートは、いかにも北米向けらしいアウトドア感覚のコンセプトカー『smart for-us』の出展を発表しています。

 

すでに世界各国での市販が宣言されているスマート・エレクトリックドライブの派生モデルともいえる「僕らのスマート」は、もちろん電気自動車バージョン。

 

いまの段階で公開されているイラストから判断すると、タイヤとサスペンションで車高を上げた、まるでバギーのようなスタイルとなっているようです。

ラゲッジスペースはフラットで、まるでキャビンと荷台がひとつになったピックアップ・トラックのよう。

 

実際、ダイムラーはこのクルマを『the practical loading concept of a pickup(実用性のあるピックアップのコンセプト)』と称しています。

 

長尺物を積むときはテールゲートを降ろした状態で使うことを想定していて、そのときのラゲッジ長さは900mmを確保しているということ。アオリを倒したまま荷物を積むのはちょっとかっこ悪いイメージもありますが、最初からそうした用途を想定しているだけあって、イラストで見る限りは車名通りにスマートな印象。

 

またシートはハンモックをデザインモチーフにしたといいますから、スマート・エレクトリックドライブの基本コンセプトであるシティコミューターというよりはリゾートコミューターと表現するほうが適切かもしれません。

 

 

もっともスマート・エレクトリックドライブと同様に17.6kWhの総電力量を誇るバッテリーを搭載したとしても、それほどの航続距離は期待できませんから、都市部から遠くまで出かけてアウトドアレジャーを楽しむための乗り物としては機能しづらいでしょうが、ちょっとしたパークまでの足や、また大気を汚したくないエリアでは、こうしたピックアップEVの出番。

 

複数台所有が当たり前的な北米市場向けの提案ではありますが、EVの適材適所感がこうして世界で共有されていくことで、新たなニーズが生まれていくのかもしれません。

 

 

●主要諸元

全長/全幅/全高=3547/1506/1701mm

ホイールベース=2480mm

ラゲッジ長=900mm

モーター出力=55kW

 

 

 

(山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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