エコ・タイヤ開発に「地球シミュレータ」を活用【ダンロップ エナセーブ】

2012年2月からの発売が予定される「ダンロップ エナセーブ PREMIUM」。転がり抵抗性能が最高ランクである「AAA」を実現する最新のエコ・タイヤです。その開発の技術を説明する住友ゴム工業株式会社の「プレスセミナー」に参加してきました。

高性能の秘密は新しく開発したゴム素材にあります。そして、その新素材の開発に使われた新技術が「4D NANO DESIGN(ナノ・デザイン)」であり、その開発技術の説明が行われました。

低燃費タイヤを生み出すためには、タイヤのコンパウンドであるゴムに無駄な発熱をさせないことが重要です。それにはゴムの動きを詳細に解析する必要があります。これまでは電子顕微鏡などで観察していましたが、その方法で見えるのはあくまでも2次元。ゴム内部までは見ることができません。

そこで「4D NANO DESIGN」では、世界最高性能の電磁波を使う施設「SPring-8」と、スーパーコンピュータである「地球シミュレータ」を活用。「SPring-8」で計測したナノ・レベルのデータを「地球シミュレータ」を使ってより広いエリアまで計算。3次元で、しかも大きな領域を高精度で解析しました。さらに時間経過も観測できるということで「3D」ならぬ「4D」としたというのです。

つまり、これまでは、ナノ・レベルのごくごく一部の表面だけを見て予測していたものを、実測データを元に広いエリアまでゴムの動きを忠実にシミュレーションしたというのです。

さらに住友ゴム工業株式会社は、さらなる研究のために現在、世界最高峰とされる次世代スーパーコンピュータ「京」の使用も考えているとか。

低燃費タイヤの開発は、いつのまにかすごいことになっているんですね。驚くばかりです。

住友ゴム工業(ダンロップ)によるリリースはこちら>>

http://www.srigroup.co.jp/newsrelease/2011/sri/2011_102.html

<鈴木ケンイチ>