Apple CarPlay、Android Autoに対応。先進運転支援システムのアップデートなど実用性も向上【新型MAZDA2試乗記】

■運転席6ウェイパワーシートは、ヘッドアップディスプレイに連動

2019年夏のマイナーチェンジで、デミオ改めMAZDA2を名乗るコンパクトカーは「日常を豊かにする上質なパーソナルカー」を掲げています。以前お伝えしたように、デミオと比べると、走りの面でのクオリティアップは実感できるレベルにあり、快適、実用装備も強化されています。

MAZDA2
MAZDA2のフロントビュー

試乗車は、1.5Lガソリン+4WDの「15S PROACTIVE S Package」で、運転席6ウェイパワーシート&ドライビングポジションメモリー機能が同グレードにはオプション設定されています。なお、同装備は「L Package」系に標準で、「XD PROACTIVE S Package」もメーカーオプションになります。こちらは、メモリー機能は2つまで、アクティブ・ドライビング・ディスプレイと連動するため、同ディスプレイの高さ設定を毎回し直す必要はありません。

夫婦や親子などで乗る際など、身長の差に対応します。

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MAZDA2のフロントシート

ほかにも自動防眩ルームミラーを「15S L Package」「XD L Package」「15S PROACTIVE S Package」「XD PROACTIVE S Package」に標準装備し、「15MB」以外でメーカーセットオプション設定。夜間に後方から迫る車両のヘッドライトの眩しさを抑制してくれます。

さらに、ステアリングヒーターを「15S PROACTIVE S Package」「XD PROACTIVE S Package」にオプション設定(前席シートヒーターは「15S」「15MB」をのぞき標準)し、「15S L Package」と「XD L Package」には標準で用意しています。

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MAZDA2の「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」

●アダプティブクルーズコントロール、レーンキープアシスト

さらにデミオよりも利便性が高まったのは「マツダコネクト(マツコネ)」が「Apple CarPlay」「Android Auto」にも対応した点。手持ちのスマホに入っている楽曲再生やナビ・アプリなどに対応します。

筆者が「Apple CarPlay」で「Googleマップ」を使ったところ、首都高速の山手トンネルや東京湾アクアラインなど、長い間GPSが届かない場所でも、加速度センサーなどにより、自車位置がフリーズすることなく表示されていました。メーカー対応による利点といえるでしょう。なお、筆者がデミオで同じ「Googleマップ」を使う際は、山手トンネルや東京湾アクアラインなどの長いトンネルでは自車位置がフリーズしてしまいます。

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MAZDA2のインパネ

先進安全装備では、AT車にアダプティブクルーズコントロールの「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)」が設定されています。こちらは「XD L Package」に標準で、「15S」「15MB」以外にメーカーセットオプション設定。停止状態までアダプティブクルーズコントロールとして機能します。

ただし、パーキングブレーキが手動式であるため、停止保持機能はなく、ブレーキを踏む必要があります。それでも、高速巡航などでやはり重宝します。

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MAZDA3以降、「マツダコネクト」のタッチディスプレイ機能はなくなり、このコントローラーのみで操作する

さらに、「レーンキープアシスト(LAS)」を「MRCC」と同じように、標準もしくはオプション設定しています。加えて、夜間のより早い危険認知を追求し、左右20ブロックに分割されたLEDを個別に点灯、消灯する「アダプティブLEDヘッドライト(ALH)」を「15S L Package」「XD L Package」に標準設定されていて、「15S」「15MB」以外にメーカーセットオプション設定されています。

今回はアダプティブクルーズコントロールの「MRCC」、レーンキープアシストの「LAS」の恩恵を実感できました。電動パワーステアリングのフィールがより良くなったのと、同装備で高速巡航がより楽になったのを実感しました。

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MAZDA2のリヤシート

なお、MAZDA2になってフロントシートの座り心地は向上していますが、車内やラゲッジスペースの広さなどは、デミオと変わっていません。

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MAZDA2のラゲッジスペース。6:4分割可倒式を採用する

大人2人と子ども2人という家族構成の筆者は、デミオで1泊2日の旅行に出かけると、荷物とお土産でラゲッジは一杯という感じになります。独身の方やディンクスであれば十分でしょう。より広さや積載性を求めるのなら、CX-3ではなく、MAZDA3やCX-30などを指名するのが無難でしょう。

(文/写真 塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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