●2020年の最終戦として開催される「ラリージャパン」
東京モーターショー2019で発表記者会見が行われたWRC ラリージャパン2020。
9月27日に発表された2020年のWRC開催スケジュールに入り、10年ぶりに復活を遂げるWRC日本ラウンドのラリー・ジャパン。運営事務局長の高橋浩司氏によれば開催日程は2020年11月19〜22日にWRC最終戦として開催されるとのこと。
この開催について高橋事務局長は「ラリー・ジャパン開催にご尽力いただいたJAF日本自動車連盟様、愛知県、岐阜県をはじめとする地元自治体の皆様、自民党モータースポーツ振興議員連盟の皆様、国内ラリー関係者の皆様、支援を表明してくださっているスポンサーの皆様など多くの方々に御礼を申し上げさせていただきたいと思います」と語ります。
開催地域は愛知県長久手市をヘッドクォーターとし、愛知県と岐阜県に渡ります。コースは基本的にはターマック、いわゆる舗装路とのこと。
開催自治体の首長も登壇します。愛知県の大村秀章知事は「自動車産業の要所と言える愛知県で世界ラリー選手権が開催されることを大変喜ばしく思い、成功のために尽力し協力を惜しみません」と語ります。
また岐阜県の古田肇知事はビデオメッセージで「ルートとなる恵那市、中津川市には、たとえば恵那峡などの美しい自然、苗木城、岩間城といった戦国時代の山城、栗きんとん、五平餅といったグルメなど、魅力も満載でございます。もっとも過酷な自動車選手権と言われるWRCの迫力は、必ずや感動の渦を巻き起こすと確信しております」
また開催招致に熱心だったと言われる自由民主党モータースポーツ議員連盟会長の古屋圭司衆議院議員氏は、「日本の自動車産業、特に東海地域は世界一です。しかし、日本にはモータースポーツ文化が定着しておりません。モータースポーツ文化が定着すれば、青少年の健全育成という面はもちろん、観光資源という面でも大きなメリットがあります」と語りました。
続けて、「我々モータースポーツ振興議員連盟はふたつの目標を掲げて活動を続けてまいりました。ひとつはWRCを日本で復活させること、そしてもうひとつはいずれ都市部の公道でレースができるようにしようということでした。まず、この1点目であるWRCは実現させることができました。モータースポーツ文化の振興、WRCを多くの人に楽しんでもらえるよう、具体的な取り組みをしていきたいと考えております。
ちなみに、岐阜と愛知の道をWRCのコース設定に携わっているミシェル・ムートンさんに走っていただいたところ『道路は素晴らしい。ほとんど修復するところはない。ガードレールの角度を少し変えてもらうだけで問題ない』と言っていただきました。両県の知事にご協力頂いていることは大変大きいことです。
例えばできるだけ近くでWRCを見られるよう、法面に観覧席を作るといった工夫をしていきたいと思っております。こういったときに全面的に協力いただけることは大きいことであります。2020年ラリー・ジャパン成功に向けて、モータースポーツ振興議員連盟として全力でバックアップしてまいります」と語ります。
また今回の開催発表を受けて公開されたイメージポスターにも開催決定の文字が踊り、招致の苦悩がうかがい知ること出来ました。
またラリージャパン2020の前哨戦とも言えるセントラルラリー愛知・岐阜2019が11月7~10日にWRCラリージャパンとほぼ同じ地域で開催されます。本格的なWRCラリーマシンの参戦もありこちらも楽しみなところ。
WRCが再び日本へやってくる。この期待を胸に続報を待ちましょう。
(写真・文:松永和浩)