【週刊クルマのミライ】新型 SUBARU・アウトバックはリアデフの容量アップを果たした

■世界初公開された新型アウトバック。2.4L直噴ターボには新開発リアデフを組み合わせる

ニューヨークオートショーにてSUBARUが新型アウトバックを発表しました。あくまで北米仕様の発表ということで日本仕様がどうなるかはまったく不明ですが、それでもアウトバックにターボエンジン搭載グレードが復活したことはスバリストの間では話題となっているようです。

北米で生産される3列シートSUV「アセント」にも積まれている2.4L直噴ターボエンジンの型式は「FA24」、ボア・ストロークは94 mm × 86 mm、総排気量は2387 ccとなります。アウトバック北米仕様のスペックを見ると、最高出力は260hp/5600rpm、最大トルクは277lb-ft/2000-4800rpmとなっています。

そして、2.4Lターボエンジン車における隠れた注目点が、SUBARUの公式リリースに記されていました。それは『新規開発したリヤデファレンシャルを採用することで、トーイング性能を従来型の2,700lbから3,500lbへと向上(2.4L直噴ターボエンジン搭載車)』という一文です。

これまでSUBARU車のリアデフといえばR160サイズやR180サイズとなっていました。トーイング(けん引)能力を上げるということはデフサイズを大きくして容量アップしたことが予想されます。そして、新型アウトバックが新世代の「スバルグローバルプラットフォーム(SGP)」に基づいていることを考えると、新しいリアデフはSGPを採用する他のSUBARU車に展開できることも期待されます。

つまり、次期WRX系において容量アップしたリアデフを使えることが考えられるわけです。これまでSUBARUのリアデフは容量が不足気味と指摘されることが少なくありませんでした。実際、現行WRX STI(VAB型)にはデフオイルの容量を増やすデフカバーがアフターパーツとして存在しています。パワーアップ系のチューニングやサーキット走行を楽しむユーザーにとっては、デフ容量が足りないと認識されているわけです。こうした情報は、当然ながらメーカー側にも届いているはずです。

新型アウトバックにおいて容量アップしたリアデフが採用されたことが公式にアピールされたのは、行間から「大容量デフの将来的な展開を期待してほしい」というSUBARUの意志を感じるというのは考えすぎでしょうか。

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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