絶対王者いすゞD-MAX VS 王者奪取を狙うトヨタハイラックスREVO。タイで生産される日本メーカーのピックアップが熾烈な争いを続けているアジアクロスカントリーラリー(以下 AXCR)が、今年の夏も8月12日から18日の7日間(競技は6日間)にわたり、タイ~カンボジアで開催されました。
昨年はいすゞの連勝に待ったをかけることができず2位に終わったトヨタですが、今年はなんと1位、2位、4位をD-MAXが占め、3位にも旧型の三菱トライトンに割って入られハイラックスREVOは5位が最上位と、いすゞの強さをまざまざと見せつけられた大会となりました。
さて、そんな日本メーカーの争いが毎年繰り広げられられているアジアクロスカントリーラリー(AXCR)とはどんな競技なんでしょう。
AXCRはWRCを代表とする、いわゆる「ラリー」とはちょっと違う「ラリーレイド」とか「クロスカントリーラリー」と呼ばれるカテゴリーのモータースポーツです。前者が短く区切られたSS(スペシャルステージ)を事前にレッキ(下見・・・というか緻密な調査?)して、本番では全速力でぶっ飛ばすスプリント競技に近い性格を持っているのに対し、後者は下見なし、初めて見る道を主催者から走行前日に渡されるコマ図と呼ばれるルートブックを頼りに突き進む、冒険色の強い競技です。
今年のAXCRに関しては、コースの総延長はタイとカンボジアにまたがる1900km。うち、タイム計測をする区間(SS)が800km。ドライバーと道案内役のコ・ドライバーが二人三脚で悪路や時として道とは思えないような極悪路をスタックしないように、崖から落ちないように、水没しないように、そして迷わないように、途中国境を超えながら力を合わせゴールを目指すのです。
冒険色の強い競技ゆえに冒頭で述べたトヨタやいすゞのように頂点を目指すチームが参加する一方で、完走を目指し挑戦するプライベーターも多いのが特徴で、日本からも毎年多くの挑戦者がこの競技に参加しているのは意外に知られていないものです。俳優の哀川翔さんやタレントのヒロミさん。元F1ドライバーの片山右京選手、PWRCで2度の世界チャンピオンに輝く日本を代表するラリードライバー新井敏弘選手、元WGPライダーの青木拓磨選手なども挑戦してきました。