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だんだんと春の気配が感じられるようになったこの季節。そろそろスタッドレスタイヤからノーマルタイヤへの履き替えを考えている方も多いのではないでしょうか?
そんなときにフと思ったこと……外したスタッドレスタイヤの保管方法です。スタッドレスタイヤって、東京あたりだと使用期間は冬場の4ヵ月ほど。スタッドレスタイヤは使い捨てではないので当然、それ以外の約8ヵ月間は保管することになります。
ドイツのタイヤメーカー「コンチネンタル」の関係者に、興味深い話をうかがいました。
タイヤは、気温25度以下ならばひび割れなどの劣化はせず、5年ほどは使用有効期限が保てるそうです。しかし、35度になると緩やかに劣化が進み、55度になるとたった2週間で1年間使ったのと同じくらい劣化し、75度だと3日間で1年分=1ヵ月で10年分も劣化するそう(驚)!
ちなみに、ここでいう「劣化」というのは、「製品の性能が劣る」
酷暑日が増えてきたとはいえ、まさか日本で75度なんて気温は……サウナの中じゃあるまいし、ねぇ。でも、35度はもちろん、日当たりの良い密閉場所なら55度だってあり得るかもしれません。「1シーズン使い捨て」になんかならないよう、上手なスタッドレスタイヤの保管方法を調べてみました。
■まずは水洗い
まず、泥や埃、またサイドウォールに塗ったタイヤワックスなどを水洗いでキレイに落とします。このとき、トレッド面に小石などが挟まっていたら、タイヤを傷つけないようマイナスドライバーなどで取り除き、そしてよく乾燥させましょう。
■カバーをかけよう
世の中には専用品のカバーが1000円台からありますが、ビニールのゴミ袋(紫外線予防のため黒がベスト)でも代用が効きます。ガムテープなどでしっかりと密閉しましょう。
■置くのは縦か横か?
ホイール付きの場合は横に置いて4本積み重ねでも大丈夫ですが、ホイール無しの場合、4本積み重ねだと重さで変形してしまうためNG。また、縦に置く場合は、床との接地面がフラットスポットにならないよう、置きっぱなしにせず回転させるのがいいようです。タイヤラック(約5000円〜)などがあるとなお良し、です。
そうそう、ホイール付きの場合はエア圧によってゴムが引っ張られて劣化しないよう、タイヤのエア圧を使用時の半分くらいに落としておきましょう。
■極上の保管法はラップでグルグル巻き
カバーをかける前に、カピカピに乾燥しないようラップフィルム(食品用ラップ)でグルグル巻きにする方法もあります。コレ、サンデーレーサーの方などがスリックタイヤを保管する時にもよくやっている方法です。スタッドレスタイヤの保管でも鮮度を保てて有効ですね!
■劣化を進める大敵は紫外線と高温多湿!
洗って乾かしてカバーして……さて、どこに置きましょう? タイヤに大敵の紫外線を避けるよう直射日光を避け、湿気の無い風通しの良い場所に保管するのがベストです。ベランダ放置は雨風がしのげないのでダメ。部屋の中……は、以前寝室を兼ねていた部屋にタイヤを置いたらタイヤ臭くて怒られた経験あり。
やはり、盗難防止のためにも鍵のかかるガレージ内や玄関などがベストなようです。また、自動車用品店やタイヤ屋さん、ガソリンスタンドで「預かりサービス」をやっているところもありますので、ご近所を調べてみてくださいね。
来シーズンもベストな状態でスタッドレスタイヤを履くためには、保管方法も大事だってことがよく分かりました。安全かつ経済的なカーライフのために、スタッドレスタイヤの保管はしっかりやりましょう!
※2018年8月13日の記事を2023年3月10日に再編集しました。
[文:永光やすの/写真提供:Thanks Nobu HIGUCHI((株)彩礼)]