7月1日、タイのチャン・インターナショナル・サーキットで決勝が行われた「2018 AUTOBACS SUPER GT Round4 Chang SUPER GT RACE」。タイ戦ではNSX GT3勢として孤軍奮闘のModulo KENWOOD NSX GT3。
15時からスタートしたフォーメーションラップを8番手でスタートしたModulo KENWOOD NSX GT3。すると前を行くグッドスマイル 初音ミク AMGが突然エンジンストップで後退。それを避けるカタチで前に出たためにローリングスタートでコントロールラインを通過するときには7番手となっています。
しかし、すぐ後ろにいた地元タイから参戦のest cola by AAS Motorsport ベントレーがノーウェイトのフルパワーを活かして前に出たことにより、1周目を終える頃には再び8位に戻ってしまいます。
しかしライバルがアクシデントやトラブルでリタイヤしていく中、Modulo KENWOOD NSX GT3は道上龍選手の堅実な走りで序々に順位を上げていき、23周目からライバルがピットインをし始めると一時は4位まで順位を上げていきます。
そしてGT300クラスではほぼ半分の周回とも言える28周目にピットイン。やはり給油作業が長めになることを考慮してリア二輪交換でピット作業時間の短縮を図ります。
気温32℃の中でのレースはあらゆる面で過酷なサバイバルレースとなります。それはModulo KENWOOD NSX GT3も例外ではなく、これまでのレースでは出てこなかったブレーキに多少問題が出てきたようです。レース後のインタビューで道上選手は「コースアウトするほどのものではないけれど、効きがゆるくなってきているのは確かで安心して踏み切れないところも出てきていた」とのこと。次戦の富士500mileに向けての課題となってきたようです。
そんなModulo KENWOOD NSX GT3は後半に大バトルを繰り広げます。ラスト5周くらいから近づきだしてきた前走のD’station Porscheとの距離。次の周には背後についてプレッシャーを与えるほどの接近を見せます。コーナーではせっつくもののストレートで離され、いざ抜きにかかるとGT500マシンがその横を通り抜けようとする。各コーナーではこの繰り返しで、その度に大津弘樹選手は絶叫していたとのこと。
普段から落ち着きのある大津選手にしては珍しいエピソードですが、この件について鄭 永熏監督は「マシンにもう少し速さがあれば大津に叫ばせるようなことは無かっただろう。これも課題のひとつ」と語ります。
しかしリタイヤ4台、チェッカーを受けなかったものの規定周回数での完走扱いも数台いたという灼熱のタイで9位ながらも完走を果たし、富士500km以来のポイント獲得となったModulo KENWOOD NSX GT3。
次戦は約1ヵ月後の8月4~5日に富士スピードウェイで開催の2018 AUTOBACS SUPER GT Round 5 FUJI GT 500mile Race。約800kmという新フォーマットの真夏の耐久レース。Modulo KENWOOD NSX GT3の活躍を期待します。
(写真:松永和浩、高橋秀彰 文:松永和浩)