2010年12月3日に日産からリーフが発売されましたが、そのカタチはちょっと独特なんですよね。
すごく気になっていたのが、ボンネットの大きさです。エンジンが入っていないのに、なんであんなに大きいのでしょう? あそこに入っているのは、エンジン・ユニットよりもはるかにコンパクトな、インバーターと電動モーターです。だから透視図にあるみたいに、インバーターの先はからっぽなのです。
何で? と思いますよね。
フロントに何もないなら、もっと短くしたっていいのにどうして短くしないのでしょう? 実はここには深ーい理由があるのです。
リーフの室内長は2080mmと、2035mmのティーダに近いのです。しかし全長はルーフの4445mmにくらべてティーダは4250mmと非常にコンパクト。室内より前の部分と後ろの部分がリーフのほうが長いのです。これはクルマの重さに答えがあります。リーフの重量は空車状態で1520kg。そしてティーダは4WDのもっとも重いモデルでも1200kgです。
クルマは衝突安全を確保するために、衝突時にフロントやリヤをつぶして衝撃を吸収しますが、重量が重い分、リーフはティーダよりたくさんつぶさなければならないのです。そのために長い鼻の必要があったのです。参考にティーダの写真も上げておいたので見比べてみてください。
電気自動車というとボンネットのない未来のクルマみたいな絵を描いたりしますが、実際にはいろいろな難しい問題もあるんですね。
リーフのレイアウト。フロントに空っぽな部分があるのがわかります。
リーフの真横写真。けっこうフロント部分は長いです。
ティーダの真横写真。私たちはこれくらいのバランスを見慣れています。
(MATSUNAGA, Hironobu)