トヨタ自動車がEV向け非接触充電システムの実証実験を開始

トヨタが実証実験をスタートさせたのは、EVやPHEVなどの充電の際に、ケーブルを使わずに地面に接地したコイルに車両位置に合わせて駐車するだけで充電できる非接触充電システムで、2月下旬から愛知県内で実証実験が開始されています。実証実験は、愛知県内のPHVオーナー宅などで車両3台を使って当面1年間の予定。

wvc1402_01実験では、充電システムの満足度や利便性をはじめ、日常的な使用での駐車位置ズレ量の分布、充電頻度やタイマー充電の利用などの充電行動に与える影響などが検証されるとのこと。

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EVやPHEVの充電は、セルフスタンドと同様に慣れるまでは少しドキドキするもので、コードを出して充電スタンドに接続するという手間もかかります。しかも、充電スタンドが1台しかなく、すでに充電中の車両があると、いつ順番が回ってくるのだろう? と時間がないと焦るわけです。

しかし、コストは置いておいて、もし複数の駐車場にこの非接触充電システムが仕込まれていれば、充電待ちがなくなるか、短くなるはずで、手間も省けてとても便利。買い物や食事を終えて、サービスエリアやショッピングモール、ファミレスなどから出る際には充電完了となっていれば、EVやPHEVの実用性はより高まります。

トヨタが開発した充電システムは磁界共鳴方式というもので、地面に設置したコイル(送電側)と車両に設置したコイル(受電側)のふたつのコイル間における磁界の共鳴現象を利用して電力を伝送する技術。

同方式は、送受電コイル間の位置ズレ・高低差における電力伝送効率の低下を少なくすることが可能です。また、電磁波による周辺機器などへの影響を抑制するとともに、送電側コイルは車両の乗り上げに耐えられる構造とするなど、実用化を視野に入れたシステム設計がされています。

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さらに、車両側では最適な位置合わせをガイドするため、ナビ画面で駐車場に設置した送電側コイル位置を表示する駐車支援機能を新たに開発されています。

「インテリジェントパーキングアシスト」機能もあり、車庫入れ駐車を容易にしているのにも注目です。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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