【IDC2017】「ドリフト世界一」の栄冠は川畑真人選手が手にするも、外国人勢も大活躍!

9月30日〜10月1日にお台場特設会場で開催された世界初のFIA公認ドリフト世界大会「FIA Intercontinetal Drifting Cup」。

世界中から24名の選手が参加しての世界大会に相応しく、激しいバトルが繰り広げられました。日本発祥のモータースポーツである「ドリフト」ということで、世界の参加者の多くは日本車を使っての参戦となりましたが、海外のクルマで参戦する選手も。

D1GPでも上野選手のドライブで参戦したことがあるBMWや、韓国車では唯一と言っていいFRクーペのヒュンダイ・ジェネシスがIDC2017に参戦。ヒュンダイ・ジェネシスは2日目のベスト8進出も果たしています。

また日本車でも変わったところではブラジル代表のジョアロ・バリオン選手の100系チェイサー。なんと左ハンドルなんです。

左ハンドル仕様が作られていないはずの100系チェイサー、右側のダッシュボードにはメーターパネルが残っていることがわかります。そう、ステアリング周りとペダル類を左側に移植して左ハンドル仕様にしたという無理やりっぷり。

競技のほうは単走をソロラン、追走をバトルランと呼称し、ソロランの順位からバトルランのトーナメントを決めると言う形式となります。そのソロランの1日目で100点満点を超えたスコアで優勝を果たしたのは斎藤太吾選手。

 

斎藤太吾選手のソロラン優勝にも裏付けられる長い伝統を誇る日本のドリフト界。世界戦とはいっても日本勢圧勝なのではないかとの下馬評を覆したのはロシア勢でした。1日目のバトルラン準決勝には2台のロシア代表が両方とも進出を果たしています。

この状況にはFIA会長のジャン・トッド氏もご満悦。

そして1日目の決勝戦、予想通りといえば予想通りなこの二人、斎藤太吾選手と川畑真人選手。

しかし、世界一を賭けたギリギリの戦いではアクシデントも発生。セクター1での接触により両者2.5ランクでのイーブン。そして2本目は激しいバトルを見せてのレベルの高い8.5ランクのイーブン。それによって完全仕切りなおしのワンモアタイム決定!

一歩も引かないこの2台。正直な話、見ているだけでは勝敗がわかりません。

その1日目のバトルランを制したのは川畑真人選手。2日目の成績と合計で世界チャンピオンが決まるルールの中、1日目の優勝は大きなアドヴァンテージとなります。[nextpage title=”2日目も波乱続き! 初の世界戦を制したのは?”]

そして10月1日、ソロランからスタートした2日目。そのソロランもかなりの紆余曲折というか大どんでん返しが続きまくり。99点台を出していたはずの川畑選手がなんとラインカットによって2点減点の97点台。そのソロランを制したのが横井昌志選手。

ベスト8で斎藤太吾選手と川畑選手が対戦し川畑選手が勝利。またベスト4でロシアのゴーチャ選手とアルカーシャ選手が対戦しアルカーシャ選手が勝利。そして決勝戦は川畑選手とアルカーシャ選手の日露対決。世界戦らしい対戦となりました。

一本目は川畑選手の速いドリフトにアルカーシャ選手が入りきることができないものの、迫力のあるきれいな走りで0.5ランクのリードにとどまります。ここは2本目の後追いで川畑選手の寄せが期待できる場面。0.5ランクならひっくり返せるのではないか?

しかし、その2本目でまたもや大どんでん返し!後追いの川畑選手が先行のアルカーシャ選手をテールでプッシュ。ここで勝負が決まりました。

2日目の優勝はロシアのアルカーシャ選手。「ドリフトキング」土屋圭市さんから優勝の盾を受け取るアルカーシャ選手。土屋さんには言葉で表せないほどの憧れを持っているとのこと。

壇上でセルフィーをしてしまうほどの憧れだったようです。

そしていよいよ総合世界一の発表。ソロランの世界一は斎藤太吾選手。

バトルランの世界一は川畑真人選手、2位はアルカーシャ選手、3位は斎藤太吾選手となりました。

初のFIA公認のドリフト世界大会「FIA Intercontinenntal Drifting Cup」、第1回のチャンピオンとなった川畑真人選手は世界のモータースポーツの記録の中に永遠に残ることとなるでしょう。

(写真・文:松永和浩)

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この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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