世界初の月面レース、日本のHAKUTOがまた一歩月に近付いた!

XPRIZE財団とGoogleは、世界初のロボット月面探 査レース「Google Lunar XPRIZE」に参加していて、打ち上げ契約が承認されレースの最終フェーズに進む5チームを発表しました。その中には日本から参加しているHAKUTOも含まれています。

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その最終フェーズに進む5チームとは以下です。
•SpaceIL/スペースアイエル(イスラエル)。
•Moon Express/ムーンエクスプレス(アメリカ)
•Synergy Moon/シナジームーン(インターナショナル)
•TeamIndus/チームインダス(インド)
•HAKUTO(日本)
※打ち上げ契約承認の発表順

HAKUTOとは株式会社ispaceが運営する日本のチーム。ベンチャー、大学、そしてプロボノと、様々なバックグラウンドをもった人材が集まり、それぞれの特技を生かし合って月面探査ロボット(ローバー)を開発しているものです。そのローバーによって、Google Lunar XPRIZEに挑戦するプロジェクト「au×HAKUTO MOON CHALLENGE」で世界初の民間月面探査を目指しています。

Google Lunar XPRIZEとは、Googleがスポンサーとなり、XPRIZE財団によって運営される、民間組織による月面無人探査を競うレース。賞金総額は3,000万ドルとなっています。

ミッションは、月面に純民間開発の無人探査機を着陸させ、着陸地点から500m以上走行し、指定の高解像度動画や静止画データを地球に送信することです。1位のチームには賞金2,000万ドルだそうですが、ロケットを打ち上げるだけでそれくらいかかるという話も?

そういうこともあってか、HAKUTOは2016年12月にチーム インダスとロケットへの相乗り契約を締結して、それによって期限である昨年末までの「XPRIZE財団からの打ち上げ契約承認」がなされ、レースを続けられるということです。

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HAKUTO代表の袴田武史さんのコメントによると、

日本のチームとして、草の根の活動からはじめて7年間、多くの企業や個人の方から支援をいただきながら、ミッション達成を目指して、活動を続けてきました。当初、34チームがレースに参加し、2015年の中間賞時点では 18チーム、2016年までには16チームと数が減り、ついに最 後の 5 チームに絞られました。2017 年、HAKUTOはいよいよ活動の集大成を迎えようとしています。チームインダスへの相乗り先変更によって、彼らのプランにあわせたローバーの設計変更や急ピッチな開発に加えて、追加の打ち上げ資金も必要となります。資金調達については、近くクラウドファンディングなどを行うことも計画しています。あと1年、全力でレースの優勝を目指しますので、引き続き応援よろしくお願いします。

月に行く目処は立ったということで、いよいよ月面レースは最終盤へと入っていきます。日本のチームを応援したいのはもちろんですが、世界初のこのレースの局面を見守っていきたいと思います。

(clicccar編集長 小林 和久)

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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