当初は280馬力をターゲットとしていたシビックタイプR用エンジンは、ライバルを圧倒すべく310馬力へと目標を高くし、そのためにゼロベースでの設計変更がなされたというほど、プライドをかけて作り上げられたパワーユニットです。
結果として、228kW(310PS)、400Nm(40.8kg-m)のスペックを実現したK20C型エンジンは、レスポンスを重視した小型シングルスクロールターボチャージャー、排気側のVTEC(可変バルブリフト機構)や吸排気のVTC(連続可変バルブタイミング機構)、多段噴射の直噴インジェクターといったメカニズムを採用しています。
現在、2.0リッター4気筒ターボクラスでの世界最高レベルといえば四駆のAMG A45に積まれるエンジンで、その最高出力は381PSにも達しています。FFとしては、そこまでのパワーは不要ということのようですが、じつはシビックタイプRのエンジンには、まだまだ伸び代が残されているという話もあります。