先日、ホンダのヒット作「N」シリーズのECU不具合に伴う38万台規模のリコールについて触れましたが、トヨタ クラウンや新型レクサス ISシリーズでもECUが絡む不具合が発生、6月26日にトヨタ自動車が国土交通省へリコールを届け出ました。
対象車は2012年12月3日~2013年6月18日に製造されたクラウン約19,000台と2013年3月13日~2013年6月18日に製造されたレクサス ISシリーズ(IS300h、IS250、IS350)約1000台の計8型式、4車種の約2万台。
この不具合は「プリクラッシュセーフティシステム」の障害物検知ソフトが不適切な為に発生。
乱反射したミリ波情報を稀に前方障害物と誤認識し、衝突の可能性が無いにも拘わらず自動ブレーキが作動して、予期せぬ急制動がかかる恐れが有るというもの。
リコール対象車はいずれも前方障害物衝突軽減装置「プリクラッシュ セーフティシステム」装着車。
クラウンは発売後半年、レクサスISシリーズは発売後1ヶ月と比較的発売後の日が浅いことから対象台数自体はさほど多くは無いものの、既に不具合による物損事故(車両後部損傷)が発生(1件)しています。
対策は全車両、ECUの障害物検知ソフト書き換えで対応する模様。
「意図しない急加速」も怖いですが、今回の「意図しない急制動」も後続車に追突される危険性が高いことから、トヨタ自動車はリコール修理が完了するまでの間、車内の「PCS」スイッチをOFFにして機能をカットするようユーザーに呼びかけているようです。(下図の左がクラウン、右がISの場合)
ECUのプログラムが原因で追突防止システムが「追突システム」になってしまっては本末転倒だけに、絶対に有ってはならない不具合ですが、このところ、日産やホンダでもECU絡みのリコールが発生しています。
「電子制御技術の進化でECUのブラックボックス化が加速 !」でも触れましたが、こうした不具合の背景には開発の効率化により、実車を使った「意地悪評価」の不足が絡んでいる可能性も。
「ECU」はクルマのありとあらゆる部位を自動制御しているだけに「中枢頭脳」に不具合が有った場合、安全上も大きな問題となる為、「ECU設計と実車評価」の仕組みを今一度 見直すべきなのかもしれません。
■国土交通省 クラウン、レクサス IS リコール情報
http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_001356.html
■クラウンロイヤル プリクラッシュセーフティシステム
http://toyota.jp/crownroyal/003_p_001/safety/active/index.html
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