ホンダのヒット作「N」シリーズがCVT不具合で38万台超えのリコールに !

2013年に入っても2~3万台/月ペースで売れ続けているホンダの人気軽「Nシリーズ」ですが、6月13日にCVTに関連するリコールが発表されました。 

2011年12月から2013年5月までの間に製造された約38.5万台(N BOX:約30.6万台、N ONE:約7.9万台)ほぼ全数が対象で、ホンダは国土交通省への届け出翌日から既にリコール回収を開始しています。

HONDA  N BOX

市場から3件の不具合報告があったものの、いずれも事故には至っていない模様。 

この不具合はCVTの油圧制御プログラムが不適切なため、変速レバーを前進又は後退位置へ操作後、素早いアクセル操作を行うと、CVTのドライブプーリシャフトに高負荷が加わり、繰り返すとシャフトが折損し走行不能となる恐れがあるというもの。 

ホンダ Nシリーズ リコール情報

対策は全車両、車載のサービス診断記録装置を確認して、ドライブプーリシャフトへの負荷状態が基準値以内の場合は油圧制御プログラムを対策プログラムに書き換え、基準値以外の場合はCVTを新品と交換するとともに、油圧制御プログラムを対策プログラムに書き換えるとしています。

改善箇所説明図によると折損部位はドライブプーリの付け根。 4月の日産デュアリスのリコールと同様、「ECU」が絡む実車での「意地悪評価」不足があった可能性も。

ホンダ Nシリーズ CVT

 

今回の不具合対策では全車同一の油圧制御プログラムながらも、負荷状態によっては必ずしもCVT本体を交換する訳では無い点も注目されます。 

・ホンダ Nシリーズ販売台数推移 (台)
 販売年月/N BOX/N ONE/TOTAL
2013年 5月/14627/ 8299/22926
2013年 4月/16382/ 9618/26000
2013年 3月/26696/16135/42831
2013年 2月/22353/10981/33334
2013年 1月/20552/10192/30744
2012年12月/13646/ 8314/21960
2012年11月/16406/ 9674/26080
2012年10月/18203/   13/18216
2012年  9月/19914
2012年  8月/17308
2012年  7月/21837
2012年  6月/23090
2012年  5月/19354
2012年  4月/16928
2012年  3月/19213
2012年  2月/15322
2012年  1月/  9934
2011年12月/  2860

■ホンダ Nシリーズのリコールについて(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_001350.html 

〔関連記事〕
・VWの7速「DSG」が中国で38万台、日本で10万台のリコールに発展 !
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 (Avanti Yasunori) 

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この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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