住友ゴム工業が、グローバル展開の一環として、アポロ南ア社を買収することを、その親会社と合意したという発表がありました。これにより、アポロ南ア社が、アフリカ30カ国、インド洋2カ国に持っていたダンロップブランドタイヤの販売権・製造権などを手に入れることができるといいます。
この買収の目的は、アフリカ全土におけるダンロップブランドの使用権を確保すること。そして、南アフリカに製造拠点を持つことにより、アフリカ地域におけるタイヤ販売事業をいっそう拡大させることだといいます。
南アフリカといえば、日産がグローバルブランドとして復活させた『ダットサン』を、まず展開するエリアでもあるのを覚えているでしょうか。2014年に南アフリカからはじまり、インド、インドネシア、ロシアの4か国にダットサンを投入するというニュースも記憶に新しいところです。
インドやロシアといえば、成長する市場として認知されているところですが、そのスタートに南アフリカが選ばれたのは偶然ではないはずです。南アフリカという地域が動車製造が盛んで、それなりの規模のマーケットもあるというのは理由でしょうが、アフリカ全体が市場として成長が期待されていることも感じさせます。
アフリカ市場のモータリゼーションといえば、ホンダが2番目の生産拠点(オートバイ)をケニアに作るということを2013年3月に発表しています。ホンダの現地法人としては南アフリカ、ナイジェリアに続く設立ということですが、2013年9月の工場稼働によりアフリカにおける生産能力は、ナイジェリアとケニアの合計で年間17万5000台となるということです。
現地生産を行なうことで、雇用を生み、そこから購買層を広げるという市場創出の流れがアフリカでも起こり、ホンダの「5万円バイク」のような低価格・良品質なモビリティがマーケットを刺激していくのでしょう。冒頭で紹介したいように、モビリティには欠かせないタイヤ事業の拡大を目指すということは、タイヤを使う乗り物が増えるという見込みがあるからにほかなりません。二輪・四輪とも新市場としてアフリカ大陸への進出というトレンドは、ますます拡大していきそうです。
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https://clicccar.com/2013/02/27/213909/
(山本晋也)