使い終わった天ぷら油でトラックが走るのはもはや当たり前! それがビジネスとして成り立つか?が問題なのだ。

こういう仕事をしていると、ついつい深夜のコンビニなんかにお世話になったりします。

チェーン店のお弁当屋さんなんかも仲良しです。

で、そんなところで夕食や夜食を買ってしまい、けっして健康体とは言えない体になっていきます。

けど、あの油モノがないとなにか満足感を得られない体になってしまっているのかもしれません。

いやー、コスパ的には揚げ物にかなうものありませんよね。

 

ところで、日本中の弁当屋さん、コンビニなどの弁当メーカー、フライドチキン、レストラン、とんかつ屋、天ぷら屋、フライドポテトを売るハンバーガーチェーン、もちろん一般家庭などなど、揚げ物を作るところは無数にあるんですね。あげたらキリがないとはこのこと、ってウマいこと言えましたかね?

 

そんなどれだけ作られてるかわからない揚げ物に使われる食用油ですが、完全に使い切るということはなく、ある程度汚れてきたら廃棄されますよね。

そんな廃油をディーゼル燃料に改質するという話はご存知ですか?

廃油を化学変化でディーゼルエンジンに使える燃料=BDF(バイオディーゼルフューエル)にするんですが、実は意外に昔からありました。

左が改質して使える状態になったもので油の色です。右がそれに緑に着色してBDFとわかるようにしたもの。

私自身も15年ほど前に直接見たことがありましたが、普通にディーゼルの乗用車がその燃料で走れてました。

その後、いろいろな技術的な進展や、一般的な環境意識への高まりなどあったはずですが、それほど大きく普及する話を聞いたことがないのはなんでか不思議でした。

その理由が、少し前のエコプロダクト展でわかりました。

今現在、商売ベースでうまく成り立っているのはコープだけだそうです。

こんな感じで給油装置もあります。

コープの総菜で使用した油を配送のディーゼルトラックに使用しているそうです。

ポイントとなるのは、やはり輸送コストだそうで、廃油を集めるのにお金がかかってしまうので、現状でもギリギリ通常の軽油と同等レベルの価格だとか。やっぱりエコにはお金がかかります。リサイクルペーパーだって新品の紙より高いのが通常ですもんね。

それと、もう一つは競合する使用法があるそうです。

もともと廃油は豚や鶏の飼料としての需要があるらしく、それに使われて、卵や精肉となって人間の口に入っているとか。

それを聞いちゃうと食べ物になるんだったらそのほうがいいですね、となっちゃいそうです。

やはり、油という物質が、エネルギーとして利用しやすいカタチであるのは、生物にとっても、クルマにとっても同じなんだな、とわかった気がしました。

(小林和久)

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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