4月6~8日に開催された全日本ラリー選手権第1戦「ツール・ド・九州2012」にエントリーした「GAZOO Racing 86」。
全くトラブル無し…という訳にはいかなかったものの、大きなトラブルは無く完走しました。
JN3クラス6位、総合17位という今回の成績を検証してみましょう。
車両の作製/メンテナンスを担当するラックの勝田代表によると、
「クルマの製作時間は比較的(充分に)取れたのだが、事前のテストは1度きりとなってしまい、実質的にぶっつけ本番の開幕(=デビュー)戦となってしまった」
とのこと。
とはいえ、車の製作過程で作り込みに余力を残した訳ではなく、経験豊富な「FRラリーカーのノウハウ」を仕込んだそうですが、実戦で戦うとファクトリーでみえなかった状況が確認されたとのこと。
ドライバーのフィーリングとしては
「回り込むコーナーは速いし、フィーリング的にはもっと速く走れそう。…なのだが、十分にタイヤを使いきれておらずロスをしている」
感じだそうです。
タイヤへの負荷が均等にかからない症状のためか、Day2には前日のクラス4位から順位を下げてしまいます。
しかし、緒戦をノーアクシデントで完走し、足回りの熟成はこれから。次戦以降はDay1/2で順位を大きく下げることはなくなるのでしょう。
もっとも、このようなネガティブな要素ばかりではなく「もっと伸ばせる」ポジティブな部分も見つかっているそうです。さらにオプションに追加設定されると噂の幅広タイヤが利用できるようになれば、コーナーリングスピードが格段に向上するでしょう。
全日本選手権のラリーカーはベース車両に大改造を加えられないレギュレーション(公道走行が可能(車検対応)である事)ですから、車両の素性が顕著に現れます。つまり、ラリーに使われる車にはライバル車に勝る強みがあり、選ばれない車両には選ばれない理由があるということ。
今回JN3で2位を獲得したセリカを駆る曽根・桝谷組もシーズン中の86乗り換えを公表しています。トップコンデンターが増えていくということは、86の基本性能に可能性を見出すチームが多いということでしょう。
RWD(後輪駆動)車はFWD(前輪駆動)車に比べて低μ路では駆動力が抜けやすく、グラベル(未舗装路)ではインテグラを始めとしたライバル車と互角に走るのはしばらくは難しいでしょう。
しかし、その間も他車より急角度に熟成が進むハチロクは、ターマック戦では早い段階で上位に進出、終盤には表彰台・優勝戦線への参加が期待ができそうです。期待しましょう。
■遂に実戦登場!86の真の実力とは!?
https://clicccar.com/2012/04/08/132894
■全日本ラリー選手権 ツール・ド・九州 Day1
https://clicccar.com/2012/04/11/134236
■全日本ラリー選手権 ツール・ド・九州 Day2
https://clicccar.com/2012/04/13/134266
(川崎BASE)
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