先進性、環境性、そして安全装備に注目が集まるCX-5ですが、加えてSUVでありながら助手席側の前に不格好なミラーがありません。
40歳以上の方なら解ってもらえると思うのですが、昔のクルマはフェンダーミラーが主流でした。現在も一部で見られますが、ドア部分にあるドアミラーと違って、前輪付近から生えているのがフェンダーミラー。
ドアミラーよりも視点移動が少ないとか死角が少ないとか評価も高いのですが、現在主流のドアミラーと違って、万が一人と接触した際に突起物となって人体を攻撃する可能性があるため少なくなっています(他にもスタイリングとか、部品を他国と共通化させるためとか、空力の問題もあるかもしれません)。
ですが車高が高いクルマは視認性をクリアにする必要があるため、日本ではサイドアンダーミラー等の装着が義務づけられています。
このサイドアンダーミラー、「クルマの前面および運転席と反対側の側面に接する、高さ1m、直系0.3mの柱(6歳児を想定)を直接認識またはミラーで間接的に視認できること」という法令が元になっています。
こうしたことから、この法令がない国の輸入車や車種によっては日本専用の装備としてサイドアンダーミラーを備える例があります。
もちろんサイドの窓を低くして視認性を確保するほか(これを実現しようとすると、側面衝突対策の面でコストに反映されがち)、日産ムラーノやエルグランドのようにドアミラーに内蔵する方法やホンダ・ステップワゴンのようにプリズムアンダーミラーを用いて基準をクリアする例も増えています。たしかにこれらも凄く便利ですが、縦列駐車などでホイールをこすらないように駐車するためにもうちょっと大きくみたいと思っていました。
しかし、安易にサイドアンダーミラーをつけると人と接触した際に突起物になって危険なのでは? とも思っておりました。
っと、ここで、その話題ではありませんでしたね…
ではCX-5はどうなっているかというと、ルームミラーとドアミラーに装着したカメラにその役割を担わせているのです。
もちろん全方位カメラ付きのモデルのように、周囲をカメラで視認できれば困ることはないでしょう。日産やレンジローバーのようにこの機能が付いているクルマに乗ると便利だと思います。これなら困りません。
ですが、画面の装着が前提となってしまいます。
その点、CX-5ではサイドやバックの画像を映し出すモニター自動防眩ルームミラーに備わっているのです。
当初はこんな小さい画面で! と思っていたのですが実際使ったら便利でした。ちゃんと視認できます。
加えてルームミラーとして使えば、同時に後方も確認にできます。サイドを気にしながら、ついでに後方確認もできるのです。
マツダの取った道は安価で多くのユーザーをできるだけ満足させるということでしょう。
どんな方法であっても、安全性が高まるのであれば大歓迎ですから、CX-5の取った道も全然アリ!と思っています。
試乗の際はこの機能もぜひ体験してみてください。
(佐藤みきお)