ゴールデンウイーク(GW)は、昭和レトロなSL列車を見に群馬に行こう!

■本線用大型SLが走る姿はド迫力

JR東日本は4月8日から群馬エリアでのSL列車の運行を開始しました。

4月8日から運行を開始した「SLレトロぐんま水上」
4月8日から運行を開始した「SLレトロぐんま水上」

群馬エリアのSLは、群馬車両センター所属のD51形498号機(デゴイチ)と、C61形20号機(シロクイチ)のどちらかを使用しています。どちらも本線で活躍した大型SLで、その存在感と迫力は段違いです。

日本を代表するSL、デゴイチことD51形498号機
日本を代表するSL、デゴイチことD51形498号機
東北で特急列車を牽引したC61形20号機(2022年撮影)
東北で特急列車を牽引したC61形20号機(2022年撮影)

この春の運行は、4月8、9、29、30日と、5月3〜5、7日(土・日・祝)の予定で、旧型客車を使用します。

4月8、30日と5月4、7日は「SLレトロぐんま水上」が上越線高崎〜水上間を往復。

「SLレトロぐんま水上」
高崎 9時56分→水上 12時3分
水上 15時15分→高崎17時14分

4月9、29日と5月3、5日は高崎〜横川間の運転で、旧型客車の横川側にEL(電気機関車)、高崎側にSLを連結。往路が「ELレトロぐんま横川」、復路が「SLレトロぐんま横川」となります。

「ELレトロぐんま横川」
高崎9時47分→横川10時49分

「SLレトロぐんま横川」
横川14時15分→高崎 15時18分

SL列車の人気は高く、指定席は発売開始と同時に完売するのは当たり前となっています。

●クルマで安全にSL列車を見るには?

「乗れなくてもSLを見たい」という人は多いと思います。そこで、クルマで群馬のSL列車見るにはどうしたらいいかをお伝えします。

利根川を渡るSL列車を鉄橋の北側にある河原から。この時はD51とC61の重連でした(2016年撮影)
利根川を渡るSL列車を鉄橋の北側にある河原から。この時はD51とC61の重連でした(2016年撮影)

SLの醍醐味はやっぱりモクモクと煙を出している姿ですが、これを見ることができるのは駅を発車した直後や勾配を登る区間など、SLのパワーが必要な場面です。

渋川〜敷島間の県道255号線の脇から。D51は後藤工場式デフと集煙装置を備えた重装備仕様です(2021年撮影)
渋川〜敷島間の県道255号線の脇から。D51は後藤工場式デフと集煙装置を備えた重装備仕様です(2021年撮影)

「SLレトロぐんま水上」の場合、下り列車は新前橋から終着駅の水上にかけて登り坂が続いていて、特に渋川〜水上間では煙が期待できます。人気があるのは渋川を発車直後に渡る利根川の鉄橋。そして、県道255線が並行している渋川〜敷島間です。

この付近からなら、関越道を使って水上ICまで安全に先回りすることができ、後閑〜水上間でSL列車を待ち受けることができます。

後閑〜上牧間にある築堤区間。下の国道291号線から見上げるのが定番ですが俯瞰もできます(2016年撮影)
後閑〜上牧間にある築堤区間。下の国道291号線から見上げるのが定番ですが俯瞰もできます(2016年撮影)
上牧〜水上間ではS字カーブを狙える場所がいくつかあります(2021年撮影)
上牧〜水上間ではS字カーブを狙える場所がいくつかあります(2021年撮影)
上牧〜水上間の諏訪峡付近はバンジージャンプで有名な橋から見ることができます
上牧〜水上間の諏訪峡付近はバンジージャンプで有名な橋から見ることができます


●水上駅では転車台を見ることができる!

転車台で方向転換中のデゴイチ。転車台広場にはたくさんの人たちが来ます
転車台で方向転換中のデゴイチ。転車台広場にはたくさんの人たちが来ます

終着駅の水上では、SLの方向転換と給水などの整備を行います。SLの方向転換には転車台(ターンテーブル)を使用。水上の転車台は国鉄時代から使われてきたもので、現在は周辺を転車台広場として整備していて、近くに駐車場もあります。

水上発高崎行きの列車は下り坂を走るので、煙を出すポイントが非常に少なくなりますが、山々をバックに走るSLを見るのも悪くないと思います。

給水中のデゴイチ。給水を見学した後にランチタイムにするのがベストです
給水中のデゴイチ。給水を見学した後にランチタイムにするのがベストです
谷川岳をバックに諏訪峡を走るSL列車(2017年撮影)
谷川岳をバックに諏訪峡を走るSL列車(2017年撮影)
渋川に到着する直前に利根川を渡るSL列車。すぐ近くにはコンビニもあります(2017年撮影)
渋川に到着する直前に利根川を渡るSL列車。すぐ近くにはコンビニもあります(2017年撮影)


渋川駅を発車して加速しているデゴイチ(2017年撮影)
渋川駅を発車して加速しているデゴイチ(2017年撮影)

「やっぱり煙がなくっちゃ」と言うならば、始発駅の水上や途中停車駅の沼田・渋川・新前橋の発車直後を見るのがいいでしょう。

「SLレトロぐんま横川」のGWの運行は全列車横川発なので、下り勾配を走ります。そのため、煙を期待できるのは始発駅の横川と途中停車駅の磯部・安中です。

横川〜西松井田間は国道18号線が並行していて、SLを見やすい環境にあります(2019年撮影)
横川〜西松井田間は国道18号線が並行していて、SLを見やすい環境にあります(2019年撮影)
安中到着前なので煙はほとんど出ていませんが、畑の中ののんびりした場所でSLを見ることができます(2018年撮影)
安中到着前なので煙はほとんど出ていませんが、畑の中ののんびりした場所でSLを見ることができます(2018年撮影)
安中を発車した直後なら煙が期待できます(2020年撮影)
安中を発車した直後なら煙が期待できます(2020年撮影)


SLを追いかける際の注意事項は、まずは言うまでもなく無理な運転をしないことです。SL列車のスピードは遅いとは言え、一般道を走って追い越すのは困難です。「SLレトロぐんま水上」の場合は並行している関越道を利用すれば先回りは可能ですが、それでも無理な運転はやめましょう。

また、SLを見る際に交通を妨げるような路上駐車や違法駐車はやめましょう。実際駐車車両を巡ってのトラブルは各地で起きています。人気スポットにはクルマが集中しがちですが、駐める場所を見つけられない場合は、諦めて別の場所に移動しましょう。

過去には、マナー違反する人が続出してSL列車の運行を中止した例もあります。みんなでマナーを守ってSL列車を見守っていきましょう。

(ぬまっち)

この記事の著者

ぬまっち(松沼 猛) 近影

ぬまっち(松沼 猛)

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる。2013年に独立。現在は編集プロダクション、ATCの代表取締役。子ども向け鉄道誌鉄おも!の編集長を務める傍ら、自動車誌、バイク誌、鉄道誌、WEB媒体に寄稿している。
過去に編集長を務めた雑誌はレーシングオン、WRCプラス、No.1カーガイド、鉄道のテクノロジー、レイル・マガジン。4駆ターボをこよなく愛し、ランエボII、ランエボVを乗り継いで、現在はBL5レガシィB4 GTスペックB(走行18万km!)で各地に出没しています。
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