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■公式見解として「タイプ2」のEV版が「ID. Buzz」
フォルクスワーゲン車が日本に正規輸入されるようになって70周年という節目の2023年、様々な特別仕様車によってアニバーサリーを祝うということです。
最大のトピックといえるのが、話題の電気自動車「ID. Buzz」が正規導入されることでしょう。上陸予定は2024年末となることも正式に発表されました。
2022年にワールドプレミアされたID. Buzzは、日本でも「ワーゲンバス」というニックネームで愛されてきた「タイプ2」がEVバージョンとなって甦ったといえるモデルです。
スタイルとしてはノーズの短いスライドドア車ですから、オーソドックスなミニバンフォルムといえるでしょう。
ただしオリジナルのタイプ2に敬意を表してか、リヤ駆動としているのは日本的なミニバンとはひと味違うところかもしれません。
●オリジナルのワーゲンバスはキャブオーバーだった
フォルクスワーゲン・タイプ2がEVになって復活という商品企画については、ユーザーレベルで感じていることではなく、公式見解といえるものです。
ただしタイプ2はフロントタイヤの上に運転席を置くキャブオーバースタイルでしたが、見ての通りID. Buzzはフロントタイヤの後ろに運転席があります。
パッケージとしては、まったく異なっているのです。
それでもID. Buzzにタイプ2の世界を感じるのはフラットなルーフラインにタイプ2へのオマージュが込められているからでしょう。
逆にいえば、それ以外はまったく異なるのに”ワーゲンバス”の世界観を再現しているのはデザインの妙といえます。
そしてEV時代に、ヘリテージを活かすことができるのは伝統ある既存メーカーならではのブランド戦略といえそう。
フォルクスワーゲンのID. Buzzに限らず、フィアットの500eも同様のヘリテージを利用した商品企画といえますが、このあたり欧州メーカーのトレンドとなっているのであれば、他のヘリテージモデルもEVになって復活するのかもしれません。
●ボディサイズは幅の広さが気になるかも
ID.Buzzのボディ寸法(海外仕様)は次のようになっています。
全長:4712mm
全幅:1985mm
全高:1936mm
ホイールベース:2989mm
全長に対して全幅が広くなっていることで、写真でみると凝縮感もありますが、意外にボディサイズは大きいのでした。
日本で使うことを考えると、2mに迫る全幅は取り回しの点で気になるかもしれません。ちなみに海外仕様のミラーtoミラーは2212mm、これはトヨタ・アルファードと同等の寸法といえます。
日本仕様については、スペックや価格、グレード構成など詳細情報は未公表です。
海外でのバリエーションを見る限り、2列シート仕様とラゲッジとキャビンの間に仕切りを入れたカーゴ仕様が用意されていますが、商用バン仕様が日本に正規導入されることはないでしょう。
前述したボディサイズの余裕を考えると、日本向けには3列シートが設定されると、一大ブームになりそうな気もしますが、はたしてどうなるのでしょうか。