■後輪駆動はいい!
別に後輪駆動なんてどうでもいいと思っていた。
だけど、マツダ「CX-60」を所有するようになってはじめて、クルマ好きがもてはやす後輪駆動の良さがわかったような気がする。
マツダの最新SUVであるCX-60は、プラットフォームもパワートレインも新設計。エンジンは直列6気筒を用意し、駆動方式はマツダとしてはスポーツカーを除いて超久しぶりとなる後輪駆動(と、それをベースにした4WD)だ。
ボクの愛車は「e-SKYACTIV D 3.3」と呼ばれるマイルドハイブリッドなので4WDだけど、後輪が空転しない限りは前輪にはわずかなトルクしか送らず、ほぼ後輪駆動といえるらしい。
そして運転してみると、みんなが「後輪駆動はいい」と言う理由がわかる気がする。
街中を普通に走っている限りは、普通の前輪駆動車(FF)との違いはよくわからないけれど、山道に差し掛かると何かが違う。
ハンドルを切るとスッと曲がるし、そこから先はジワリとアクセルを踏み込みながらグイグイ曲がる感覚がとっても心地いい。こういうのは、今まで乗ってきたFFでは感じ取れなかったドライビングプレジャーだ。
クルマが生き生きと走っている感じがするのが楽しい。
●気配りされたクルマ
「私は助手席だからそういうのはよくわかんないんだけどね」
あまりの運転の楽しさに、それを力説するたびに彼女はちょっとあきれ顔。あまりの運転の楽しさにいつも同じ話ばっかりしているから仕方ないか。
「実はね、私は後ろの席がいいと思っているの。まず、シートの形がいい。身体がフィットするのがよくわかる」
なるほど。
「それでもうひとつ。革が滑りにくくていいのよ。だから、座っていて姿勢がズレないの。前乗っていたクルマも同じように革シートだったけど、シートの形がよくなかったし革も滑りやすかったから、座っているとすぐに姿勢が崩れちゃったんだよね。後席の居心地は、圧倒的にこのクルマのほうがいい」
なるほど。目の付け所違うなあ。
ただ間違いないのは、CX-60はそういう部分までしっかりと気を配って作られたクルマだってこと。
まさか偶然の産物じゃないよね?
(文:工藤 貴宏/今回の“彼女”:咲村 良子/ヘア&メイク:東なつみ/写真:ダン・アオキ)