ジオテクノロジーズが位置情報付きNFTを販売。コピーできないコンテンツ、話題のNFTとは?

■ジオテクノロジーズ、経営戦略を発表

●日本の電子地図を作り続けたインクリメントPがジオテクノロジーの前身

ジオテクノロジーズ株式会社の杉原 博茂代表取締役社長 CEO
ジオテクノロジーズ株式会社の杉原 博茂代表取締役社長 CEO

ジオテクノロジーズ株式会社が経営戦略発表会を行いました。

ジオテクノロジーズ社の主要スタッフ
ジオテクノロジーズ社の主要スタッフ

随分と難しい話やら経営に関する数値の件はともかく、その中でも気になったのが、地図アイコンNFTについてです。

まず、ジオテクノロジーズ社とは、広く一般に知れ渡った社名ではないと思いますが、実はカーナビを古くから知っている人には馴染みのある会社です。

ジオテクノロジー社の前身は、カロッツェリアナビの地図を作り続けてきたインクリメントP社。1994年にパイオニアから分社してできたのがインクリメントPです。パイオニアが文字通りカーナビのパイオニアとして電子地図データは最重要課題の一つとして育て、その部門がひとつの会社として成り立つとの判断からの分社だと記憶してます。

その後、1995年にはPC向けの地図ソフト、「MapFan」をリリース。当時はカーナビも憧れの製品、パソコンで地図を見られるのは画期的でした。ちなみにグーグルマップがβ版としてサービスを開始したのが2005年と10年もの歳月を隔てていたのです。

1998年には携帯電話メモリ編集ソフト「ケータイ・エディ」を発売しています。私も含め、一部の人には懐かしい製品じゃないでしょうか。ケータイ・エディは、一般にも普及してきたケータイ電話の電話帳をPCで編集するもので、当時いろいろなメーカーから出ていたガラケーの名前や電話番号を編集したり、移し替えたりできたものです。1999年1月1日午前2時には、それまで030-などだった10桁のケータイ番号が、11桁の090-になったときには活躍しましたね。

そのように時代の波に乗ってたインクリメントP社ですが、PCの普及やGoogleなどが様々に無料のサービスを始めたりと、会社としては長らく横ばい状態だったそうです。現在でもカーナビマップの全国シェアでは33%ほどもあるそうです。

M2E アプリ「トリマ」のスマホ画面イメージ
M2E アプリ「トリマ」のスマホ画面イメージ

2020年には移動することでポイントが貯まるポイ活アプリ「トリマ」をリリースし、2022年1月にジオテクノロジーズに社名を変更しているのです。

●証明書付きのデジタルデータがNFT

前置きが長くなりましたが、そのように、電子地図を取り扱ってきたジオテクノロジーズがNFT事業へ参入するとのこと。

NFTも理解するのが少し難しいのですが、デジタル化されたデータへ証明書を付けたもの、と理解すればいいのではないでしょうか。データとしてあるものはなんでも簡単にコピーできてしまいます。唯一無二のものがあり得ない世界とも言えます。

このデータの世界に、例えば「この画像はここだけのもの。コピーではありません」 という証明書が付いたデータとして取り引きがされるものです。

このNFTにさらに、ジオテクノロジーズ社では位置情報を付加して「位置情報付地図アイコン NFT」を販売するそうです。

日本の城をイメージしたNFT「GT Building Collection」の例
日本の城をイメージしたNFT「GT Building Collection」の例

その第一歩として、ジオテクノロジーズNFTコレクション「GT Building Collection(ジーティー ビルディング コレクション)」と「TORIMARU Collection(トリマル コレクション)」を販売開始しました。

GT Building Collectionの第一弾として、日本の各地の城を表現したアート作品を販売。例えば、お城があってそこに観光客を呼びたい地方自治体が、お城のNFTを販売することで、そのお城まで出掛けないと手に入らないNFTを求めてお客さんが訪れるようになる、などが考えられるとのこと。

トリマキャラクター「トリ丸」のNFT例
トリマキャラクター「トリ丸」のNFT「TORIMARU Collection」の例

また、ジオテクノロジーズのM2Eアプリ「トリマ」のキャラクターであるトリ丸をモチーフとしたNFTが「トリマル コレクション」です。M2Eとは「Move to Earn」の略で、移動することで何らか報酬を得ることを意味します。

このキャラクター「トリ丸」のファッションなどを描き下ろし、世界で唯一のトリ丸が購入することができます。

これらは、世界最大手の NFT マーケットプレイス「OpenSea」内で販売されているとのこと。

トリマグローバル展開イメージ図
トリマグローバル展開イメージ図

さらに、トリマはグローバル展開を予定しており、北米、タイ、インド、オーストラリアなどへローンチを進めていくとのこと。これにより、現地での広がりはもちろん、インバウンドでの利用にも繋がり、夢は広がります。

すでに我々はリアルと共に、好むと好まざるに限らず、メタバースの世界にも住んでいるとも言えます。その仕組みを理解し、いち早く取り組んだ企業がその世界で成長し、リアルでも生き残るのかも知れません。

(文・写真:小林和久)

【関連リンク】

ジオテクノロジーズ:https://geot.jp /

NFT マーケットプレイス「OpenSea」
・ GT Building Collection( https://opensea.io/collection/gt-bc )
・ TORIMARU Collection ( https://opensea.io/collection/torimaru )

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
続きを見る
閉じる