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■現役エンジニアもデジタルネイティブの高い吸収力に驚き
ヤマハ発動機の広報グループが発信している「ニュースレター」。
今回のテーマは、現在のもの作りに欠かせないという「メカニズムとプログラミングによる制御の掛け合わせ」です。現役のエンジニアが未来の人材を指導する様子が披露されています。
同社の制御システム開発部の加藤毅さんは、静岡県が実施するオンラインキャンプの「ジュニアプログラミングキャンプ in 静岡」のメンター(指導者)として、県のプログラミングコンテストで優秀な成績を収めた中学3年生と高校2年生の2名の指導を担当。自作の教材とカリキュラムを使ってプログラミングスキルの向上を支援しました。
画像認識された手のひらを見せながら、モニターの向こう側にいる中高生に話しかけたそうです。加藤さんは、手の動きを認識することができたら、どんなことができるようになるんだろうなど、プログラミングの技術はもちろん、できる限り発想を膨らませていけるようなテーマの中で学んでもらいたいと考えたそうです。
●わずか数週間で驚きの進化
このオンラインキャンプは、将来が期待されるジュニアプログラマーに、事業の最前線で活躍する企業エンジニアが直接指導を行う取り組みです。モビリティの自動運転技術の開発に取り組む加藤さんも、画像認識の専門性を持つ企業研究者の1人として指導しました。
「設定したテーマが難しく、当初は2人とも頭を悩ます様子を見せていたのですが、わずか数週間でマウスを使わずに指の動きだけでPCを操作するプログラムを作るなど、その応用力には驚かされました。デジタルネイティブ世代の底力に私自身も刺激を受けました」と、加藤さんは指導するだけでなく、得るものも大きかったようです。
●遠隔操作のブルードーザーにあこがれて
また、2021年に同キャンプのメンターを務めた菊池和気さんは、加藤さんと同じ部門で農業用UGV(無人走行車)の開発を担当するプログラマーです。小学生の時に図鑑で見つけた遠隔操作できるブルドーザーに心を動かされ、それ以来、産業の自動化の夢を膨らませてきたそう。
「ワンクリックで作物の育成や収穫ができるようになれば、人間の能力や可能性を広げることにもつながる」と、農業現場の自動化に全力で注力しています。
菊池さんは自身の原体験を重ねながら、プログラミングの未来を担う人材に向けて掲げたテーマは、「AR(拡張現実)アプリ」の作成。やはり2名の中高生を担当し、柔軟な発想で、それまでできなかったことをできるようにするもの作りの楽しさを経験してもらったそうです。
●プログラミング人材の育成を支援するヤマハ発動機
菊池さんは、「伝えたかったのは、実世界とのインタラクションです。私たちが仕事で使っている本格的なツールを使いながら、PCの中だけで思考を完結させず、実世界との関係や作用を意識してもらうよう指導させていただきました」と振り返ったそう。
同氏もまた、デジタルネイティブのポテンシャルの高さに驚かされたそうです。
このようにヤマハ発動機は、静岡県が行う「ジュニアプログラミングキャンプ」や、小学生のプログラミング全国大会「ゼロワングランドスラム」への協賛、また独自のプログラミング教室の開催など、さまざまな活動を通じてプログラミング未来人材の育成を積極的に支援しています。
こうした協賛や支援は、将来の同社のみならず、日本のもの作りへの種まきとして重要な活動といえるでしょう。
(塚田 勝弘)