■デザインの勝利
「速そうっていうか、強そう。なんていうか、トランスフォーマーみたいじゃない?」
そんな彼女のGT-Rに対する第一印象は、言い当てて妙かもしれない。
クルマ好きからすれば、GT-Rがとんでもない速さを秘めたクルマだっていうのはわかるけれど、クルマを知らない人に「凄さ」を感じさせるのがデザインの勝利ではないだろうか。
日産GT-R。いうまでもなく、日産が誇る超高性能スポーツカーだ。
現行モデルのデビューは2007年冬だから、気が付けば14年が経過。
つまり、R32型の「スカイラインGT-R」が登場してからR34型が生産終了するまで3世代にわたる“第2世代GT-R”の現役時代とほぼ同じ時間を、R35型GT-Rはわずか1世代で過ごしたというわけだ。国産車としては異例のロングライフモデルといっていいだろう。
●特別な何か
しかし、ただ作り続けているわけではない。当初480psだった最高出力は、最新モデルでは570psまで上昇。走行性能は大きく進化している。
同時に、777万円だったベーシックグレードの価格は、いまでは1082万8400円まで上昇。性能も上がったが、高嶺の花の生息地はますます手の届きにくい領域へと移ってしまった。
「ドアノブは開け方が分からなかったけど、普通のクルマとは違うワクワク感があるよね」
「エッジが効いたデザインのフロントフェンダーに速さを感じる」
「私は顔よりお尻が好き。丸いテールランプはかわいいしお洒落だと思うな」
どうやら彼女も、GT-Rの特別な雰囲気に何かを感じているようだ。(つづく)
(文:工藤 貴宏/今回の“彼女”:RIHO/ヘア&メイク:則 めぐみ/写真:ダン・アオキ)