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■スーパーカーの代名詞、カウンタックの4.8L・V12版
就任以来、派手なパフォーマンスなどで何かと話題になっている日本ハムファイターズのビッグボス(新監督)・新庄剛志さん。
中でも、11月30日に札幌ドームでおこなわれた「ファンフェスティバル2021」では、真っ白なスーパーカーに乗ってファンの前に登場! 会場はもちろん、昔からのクルマ好きにも大注目されたといいます。
なぜかといえば、新庄さんが乗っていたクルマは、1970年代後半から1980年代のスーパーカーブームで、当時の子どもたちを最も虜にした1台の「ランボルギーニ・カウンタック」だったからです。実際、小学生時代にブームを知る50代半ばの筆者も、その映像に目が釘付けになりましたしね。
しかも、この時に登場したクルマは「LP5000S」というとってもレアなモデル。では、実際、どんなモデルだったのか、ちょっと紹介してみましょう。
●ガルウイングドア採用のスーパーカー
カウンタックは、イタリアのランボルギーニ社が手掛けた高級スポーツカーです。1971年に「LP500」という名称でプロトタイプが発表され、1974年に市販モデル「LP400」が登場。世界的に大きな反響を呼びます。
日本でも、カウンタックの人気は当時かなり高く、大人気マンガ「サーキットの狼」に登場したこともあり、前述のスーパーカーブームを牽引したモデルの1台に。当時を知るアラフィフや50代以上の世代には、子どもの頃に憧れた人も多かったと思います。
大きな特徴は、レーシングカーを彷彿させる低いフォルムと、V型12気筒エンジンによる高い動力性能。それに、左右2枚のドアが垂直に開閉するスタイルも独特で、日本ではガルウイングドアと呼ばれカウンタックの代名詞にもなりました。
ちなみに、ガルウイングドアは、本来、左右のドア全体が橫に開く形式で、最初に採用したのはメルセデス・ベンツが1954年に出したスポーツカー「300SL」。
前から見た様子がカモメの翼に似ていたことから、それを意味するガルウイングという名前が付けられたのが由来です。
300SLのガルウイングドアに対し、カウンタックの方式は、ドア前部にヒンジを設け、後方が開くタイプ。その様子がハサミににていることから、「シザーズドア」と呼ばれています。
ランボルギーニは、カウンタックだけでなく、後のディアブロなど多くの後継モデルにもこのドア開閉方式を採用。今や、ランボルギーニ製スーパーカーの代名詞だともいえます。
そのため、アメリカでは、カウンタックのドア開閉形式を「ランボドア」とも呼び、カスタムカーなどにも採用するほとの人気ぶり。そういった意味でカウンタックは、市販車はもちろん、カスタムなどクルマ文化全体に大きな影響を与えたクルマであるといえます。
●販売期間わずか3年の貴重モデル
そんなカウンタックの中で、新庄監督が乗ったモデルは1982年に登場したLP5000S、別名LP500Sと呼ばれるモデルです。
伝統のV12気筒エンジンは、先代モデルのLP400やLP400Sの3.9Lから、ボア×ストロークを拡大し4.8Lに排気量をアップ。最大出力は375ps、最高速度300km/hと発表されました。
このLP5000Sは、1985年までしか生産されず、1985年後半には排気量を5.2Lにアップした「LP5000QV(クワトロバルボーレ)」にモデルチェンジされます。
わずか3年足らずしか販売されなかったため、生産台数はわずか323台。そのため、前述の通り、かなりレアなモデルということで、旧車コレクターなどファンには貴重なクルマとして知られています。
カウンタックは、その後、アメリカのクライスラー傘下時代(現在はフォルクスワーゲン・グループのアウディ傘下)の1988年に、ランボルギーニ創立25周年記念モデル「カウンタックアニバーサリー」が登場。1990年まで生産され、これが最終モデルとなります。
プロトモデルのLP500が1971年に登場して以来、19年もの長い年月をスーパーカーのレジェンドモデルとして君臨してきた名車カウンタック。
新庄さんが乗ったLP5000Sをはじめ、その歴代モデルたちは今でも、世界中で多くの愛好家が大切に乗り続けるほど、高い人気を持ち続けています。
ちなみに…。新庄ビッグボスが乗ったランボルギーニ・カウンタックLP5000Sですが、ドアを開けながら走っているとドアが下がってきてしまう! ということで、ビッグボスはドアが下がってこないように左手で支えていた、というオチもあるところが、新庄さんっぽくないですか?
(文:平塚 直樹)
*当記事に掲載している画像中、萩原 文博氏が撮影したLP5000Sは、アウトモビリ・ランボルギーニ・ジャパン主催「Lamborghini Day Japan」に展示されたもので、新庄剛志監督が「ファンフェスティバル2021」で乗った車両とは関係ありません。