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■悪臭の原因となるエアコンのカビを防ぐ方法
まだまだ残暑が厳しいですが、暦の上ではもう秋の始まり。もうすぐ長雨の季節です。雨が多いと気になり出すことのひとつが、カーエアコンからのイヤ~な臭い。芳香剤を置けばなんとかごまかせる場合もあるでしょうが、悪臭の原因がエアコン内部にできたカビ(雑菌)の場合は根本的な解決にはなりません。
そのまま放置すると、臭いがきつくなったり、場合によっては健康被害を招く恐れさえあります。
そこで、ここでは、今の時期だからこそやっておきたい、「悪臭を元から断つ」ためのエアコン掃除法を紹介します。
●暖房でエアコン内部を乾燥
夏の間、ガンガンに効かしていた冷房。一方で、エアコンの内部では、冷たい空気と暑い外気の温度差で水滴が発生していて、それを放置するとカビが繁殖します。
そこで、まず試してみたい簡単な方法が「暖房を使って内部を乾かす」こと。暖房の熱によりエアコン内部を乾燥させることで、カビの発生を防ぐのです。結果的にいやな臭いも出ずにすみます。
やり方は以下の通りです。
1. まずは全ての窓を全開にして車内を換気する
2. エンジンをかけ、エアコンの暖房を最大温度・最大風量にする
3. しばらく暖機運転
なお、暖機運転は10分程度が理想ですが、時間がないとか、アイドリング状態だと排ガスやエンジン音で近所に迷惑をかけてしまう場合は1〜2分程度でやってみましょう。
それで効果が出るまで数回繰り返すか、暑さをしばらく我慢できるなら、窓を全開で暖房のまま少しだけ走行してみるのも手ですね(熱中症にならない程度で)。
いずれにしろ、簡単で短い時間にできますから、出かける前にでもやれる方法です。
●カーエアコン用消臭スプレー
エアコンの吹き出し口付近に吹きかける「消臭スプレー」を使ってみるのもいいでしょう。これも簡単にできるメンテナンスです。最近は、消臭だけでなく除菌もできるタイプが数多く出ていますので、そういった製品ならより高い効果が望めます。
主な手順は以下の通りです。
1. エンジンを掛け、エアコンを「VENT」「内部循環」にする
2. エアコンをオフにし、エンジンを切る
3. 窓を開け、スプレーの容器をよく振る
4. スプレーのノズルを吹き出し口に入れ吹きかける
5. エンジンとエアコンを始動、5~10分ほど換気する
具体的な手順は商品によって違うため、詳しくは取り扱い説明書を参照して下さい。ちなみに、1.のVENTとは、エアコンの吹き出し口から風が出る設定のこと。最近のエアコンは、足元からや、吹き出し口と足元の両方から風がでる設定もありますから、注意しましょう。
また、5.は、しばらくアイドリング状態にしますので、場所によっては近所迷惑になる場合があるため注意しましょう。
ちなみに、カーエアコン専用タイプには、細いノズル付きもあり、そういったタイプなら、吹き出し口のより奧にスプレーできますから、より高い効果が望めます。
●エアコンフィルターの洗浄・交換
今までは、いわば応急措置的な方法でしたが、やはり根本から原因を除去するには、エアコンフィルターを掃除したり、交換する方がより効果が出ます。
車種にもよりますが、エアコン本体は、ダッシュボード裏側に付いているタイプが多く、フィルターもそこにあります。
一般的には、グローブボックスを外せば、エアコン本体からフィルターを取り外すことがきます。グローブボックスの外し方は、車種によって違いますので、詳しくはクルマの取り扱い説明書などを参照下さい。
フィルターを外し洗浄する場合は、主に以下の手順で行います。
1. フィルターを水洗いする
2. 汚れが酷いときは、水に中性洗剤を溶かしバケツなどに入れ、30分~1時間ほど浸け置き
3. 洗剤を使用した場合は水できれいにすすぐ
4. 天日干しなどで自然乾燥させる
5. フィルターをセットし、グローブボックスを元に戻す
なお、フィルターを交換する場合は、市販品であれば車種やフィルターのタイプにもよりますが2000円程度からあります。自動車メーカーでは、だいたい7000〜1万km程度毎、もしくは1年毎のフィルター交換を推奨しています。一般的には、それくらいのサイクルを目安にする方がいいでしょう。
もし、クルマにあまり乗らないという人でも、少なくとも車検のタイミングで交換するなど、定期的なメンテナンスが必要です。
●エバポレーターを洗浄する
エバポレーターとは、カーエアコンの部品のひとつで、アルミ製の熱交換器です。エアコン内部の空気を冷やす役割をします。エバポレーター内を通った風が冷えることで、車内に冷風が送られる仕組みとなっています。
エバポレーターは、外気との温度差による結露が内部に出やすく、カビが繁殖しやすいという欠点があります。そのため、専用のエバポレータークリーナーなどを使い洗浄するとカビなどの繁殖を防ぐことができます。
使い方は、商品によって違いますが、やはりグローブボックスを外した後、フィルターを取り外して、そこから専用ノズルなどを入れて洗浄剤を入れるタイプなどがあります。
エバポレーターの洗浄頻度は、年2回ほどがいいでしょう。フィルターの掃除または交換と一緒に行うことで、カビの原因を元から断つことが可能です。
●最後はプロに頼む
以上は自分でできる方法ですが、フィルターやエバポレーターの作業に関してはちょっとハードルが高いとか、時間がないという人もいるでしょう。また、今回紹介した方法を自分でやったけれど、やはり臭いが取れない場合もあるでしょう。
そういう場合は、プロの専門業者にお願いするのも手です。料金は、業者や作業内容によりさまざまですが、フィルター交換だけなら費用は4000〜5000円程度です。業者によっては、エバポレーターを取り外し、徹底的に洗浄してくれるところもあります。
エアコンの洗浄は、整備工場はもちろん、カー用品店やディーラーなどでもやっています。近所でサービスを行っているところを探し、まずは料金や作業内容も含めて相談してみるといいでしょう。
(文:平塚 直樹 *写真は全てイメージです)