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■「視野障がいと自動運転の交叉点」を学ぶオンラインセミナーを開催
●「視力」と「視野」、運転にはどちらも重要!
免許取得時はもちろん、免許更新時に「C」マークの開いているところが「右、下、上…」とやる視力検査はデフォ。このCマークはランドルト環という名前が付いていて、世界共通の視力検査用記号なのだそうです。
ちなみに、免許更新時に必要な視力は、『普通第一種免許・中型第一種免許(8トン限定中型)・準中型第一種免許(5トン限定準中型)・大型特殊免許・二輪免許・普通仮免許などでは、両眼で0.7以上かつ一眼でそれぞれ0.3以上。一眼の視力が0.3に満たない場合、もしくは片眼が見えない方はもう片方の眼の視野が左右150度以上かつ視力は0.7以上』と決められています。
●「視野狭窄」って…なに?
今回、国際モータージャーナリスト・清水和夫さんが総括を担当している、『SIP-cafe』が行うオンラインセミナーで主題となるのは、視力ではなく「視野障がい」の一症状である「視野狭窄」についてです。
視野狭窄とは、視野(眼を動かさずに見ることができる範囲)が全体的に縁から狭くなったり(求心狭窄)、所々が見えなくなっていく(不規則狭窄)眼の症状です。高齢者だけではなく、若い方にも起こり得る緑内障や網膜色素変性症、網膜剥離、またヒステリーなどの精神的なことからも引き起こされることがある症状だそうです。
このあまり聞きなれない視野狭窄が、クルマを運転する上で視力低下より気を付けなければいけないものだというのです。視力低下は、眼鏡やコンタクトレンズである程度は矯正されるもの。しかし、視野狭窄は眼にとっても重大な病気で、しかも徐々に悪化することで自身で気付かない場合もある…というのです。
●自動運転に向けた取り組みの中、視野狭窄による視野確保を考える
この視野狭窄により、本来ならば視野の中に見えているハズの端っこにあるもの…飛び出してきた人やクルマ等…が見えず、交通事故の原因になった例もあるそうです。また、日本では視力を免許取得の条件としていますが、欧州では視力と視野の両方を検査しているそうです。それだけ、視野も運転する上で重要だと捉えているからですね。
そんな症状を持つ方への安全運転支援として役立ち、自動運転へ向けての取り組みもしているSIP(戦略的イノベーション創造プログラム/自動運転に関する産官学による活動を一気通貫で研究開発を推進)の活動を紹介するSIP-caféが、視野障害・視野狭窄が運転に及ぼす影響、自動運転・高度運転支援の役割等をテーマに、全3回にわたりWebセミナー開催、ウェビナーを募集しています。
【SIP-adusウェビナー「視野障害と自動運転の交叉点」】
<開催概要>
・日時:2021年7月8日(木) 13:00~14:30
・開催方法:オンライン開催(参加無料)
・テーマ:「視野障害と自動運転の交叉点」
・基調講演:
・「技術を育てる – iPS細胞と自動運転の共通点」
神戸アイセンター病院 研究センター長 高橋政代氏
・「症例紹介『運転外来の現場より』」
西葛西・井上眼科病院 副院長 國松志保氏
・パネルディスカッション:
神戸アイセンター病院 研究センター長 高橋政代氏
西葛西 井上眼科病院 副院長 國松志保氏
筑波大学 教授 伊藤 誠氏
・司会・モデレーター:SIP自動運転 推進委員会構成員/モータージャーナリスト 岩貞るみこ
・セミナー総括担当:SIP自動運転 推進委員会構成員/国際モータージャーナリスト 清水和夫★参加方法
事前登録制:オンライン視聴の形でご参加が可能です(無料)。参加を希望される方は、こちらからお申込みください。視聴用URLをメールでご案内いたします。なお、開催当日までご登録が可能です。★参加申し込み・問い合わせ:SIP-adusウェビナー「視野障害と自動運転の交叉点」
難しそう…? いえ、自動運転や安全運転支援技術は、人間の眼の代わりに周囲を監視する眼を持っているともいえます。これをきっかけに、自動運転の最先端技術・考え・取り組みを覗いてみてはいかがでしょうか。
(永光 やすの)
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