新型ホンダ・シビックは、1.5L VTECターボにCVTとMTを設定。「質の高い軽快感」を追求した走りを目指す

■厳しい交通環境の欧州で先行開発を実施

2021年秋発売予定の新型ホンダ・シビック(タイプRは2022年予定)は、走りの面では「質の高い軽快感」を目指して開発されています。

世界でも最も厳しい交通環境下、と位置づけたヨーロッパでプラットフォーム先行開発を行い、その後、各地域に合わせた最適化が行われています。

ホンダ シビック
新型ホンダ・シビックの走行シーン

搭載されるパワーユニットは、直列4気筒の1.5Lターボで、最高出力182PS/6000rpm・最大トルク240Nm/1700-4500rpmというスペック。なお、現行型は6MTが182PS/5500rpm、240Nm/1900-5000rpm。CVTは、182PS/6000rpm・220Nm/1700-5500rpm。

新旧モデルを比較すると、最大トルクの発生回転域が引き下げられています。

ホンダ・シビック
新型シビックの走行シーン

また、組み合わされるトランスミッションは、CVTと6MTで、両トランスミッションに共通するメニューとして、走りを左右するトルクオンデマンド制御最適化、高効率ターボと低圧損過過給配管、4-2エキゾーストポート シリンダーヘッドが採用されています。

ホンダ・シビック
新型シビックにも1.5Lガソリンターボが搭載される

NV(ノイズ、振動)対策として、高剛性クランクシャフト、高剛性オイルパンを採用。環境対策では、エキゾーストVTEC、低フリクション、新触媒が採用されています。

ホンダ・シビック
新型シビックのCVT仕様

CVTでは、ブレーキ操作によるステップダウンシフト制御、ターボのトルク感を活かした走り、全開加速時のステップアップシフト制御、トルコンの性能向上、パドルシフトの装備があります。

一方の6MTは、ショートストロークと高剛性を両立したシフトフィール、ワイドレンジギヤレシオによる加速、燃費の両立のほか、静粛性に優れているデュアルマス フライホイールが採用されます。

加えてCVTには、ドライブモードも備わり、「EOC」「NORMAL」「SPORT」から状況に応じた走りが可能。

ホンダ・シビック
新型シビックにも6MTが用意される

乗り心地や操縦安定性、静粛性もブラッシュアップされています。シャーシをチェックすると、ハンドリングでは、EPS制御の分解能力を向上させることで、定位感、ロバスト性(堅牢性)が向上。軽量・高剛性アルミサブフレームにより、乗り心地や動的質感のアップが図られています。

ホイールベースが35mm延長され、リヤトレッドが12mm拡幅されたことで、直進性、旋回安定性が高められています。

ほかにも、フロントサスペンションに低フリクションボールジョイント、低フリクションフロントダンパーマウントベアリング、リヤではリヤコンプライアンスブッシュの容量拡大、ブッシュ軸線の適正化などにより、ハンドリング、乗り心地を磨き上げたそう。

ホンダ・シビック
スポーツモデルらしい2眼式のメーターパネルは、視認性も高い

安全性能では、「JNCAP」で5つ星を狙うというボディ構造がトピックスで、構造用接着剤の大幅な適用拡大、ホイールアーチへのスティフナーの追加などが盛り込まれています。ねじり剛性は現行型から19%の向上が図られています。

同時に、アルミニウム製フードなど、アルミ材、高ハイテン材の適用、構造の進化により軽量かつ高剛性なボディを獲得。

さらに、エンジン、タイヤなどからの入力を抑えるNV対策、ロードノイズの低減もボディやフロア各所に施されています。

(文:塚田 勝弘/写真:井上 誠・ホンダ)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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