■「トヨタ・ハイブリッド・システム」も含めた新型電動化車両を投入
マツダは2021年6月17日、技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言 2030」に基づき、2030年に向けた新たな技術、商品の開発方針を発表しました。
同社では、2020年に中期経営計画の見直しを発表していて、2050年カーボンニュートラル化への挑戦をアナウンス済みです。
2007年に「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」を掲げ、2017年8月に、「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言 2030」を披露したマツダ。
「ビルディングブロック戦略」により、基盤となる技術群をブロックとして段階的に積み上げることで、優れた技術を効率的にリリースすることを可能にしています。
具体的には、2007年以降「SKYACTIV TECHNOLOGY」を中心とした内燃機関の刷新に電動化技術を加え、2012年以降の様々なモデルに最新技術を搭載しています。
一括企画の成果として6年間で9モデルを投入しています。一括企画は、「コモンアーキテクチャ」「フレキシブル生産構想」からなります。
最新世代は、Mazda3から始まっていて、マルチソリューションが可能なアーキテクチャが使われています。その中にはアメリカのアラバマで開発されている新型SUV、今年後半から生産開始予定としているラージサイズ、縦置きエンジンによるマルチソリューションアーキテクチャが使われます。
現在のスモール商品群では、マルチソリューションとして、24マイルドハイブリッド、EV、「SKYACTIV-X」、EV、RE(ロータリー)マルチ電動化技術などがあります。
ラージ群には、「SKYACTIV-G/D/X」(新たにSKYACTIV-X/直列6気筒も設定)をはじめ、PHEV、48Vマイルドハイブリッド、RE(ロータリー)マルチ電動化技術という電動化技術の拡大を継続。
スモール商品群用の横置きパワーユニットとラージ商品群用の縦置きパワーユニットに対応した 「SKYACTIV マルチソリューションスケーラブルアーキテクチャー」をベースとして、国ごとの電源事情や環境規制、顧客のニーズに応じたマルチソリューションを展開していく計画としています。
さらに、バイオ燃料「BIO-FUEL」、二酸化炭素と水素の合成液体燃料を使う「e-FUEL」「HYDROGEN(水素)」の開発も推進しています。
2025年以降は、さまざまな車格やボディタイプのEVモデルに適応できる、マツダ独自のEV専用プラットフォーム「SKYACTIV EV専用スケーラブルアーキテクチャー」を新たに導入する計画としています。
トヨタから供給を受ける「THS」を含め、2025年までにEV3モデル、プラグインハイブリッド5モデル、ハイブリッド5モデルを、日本、欧州、米国、中国、アセアンを中心に展開するとしています。
こうした計画により、2030年時点での生産における電動化比率は100%、EV比率は25%を想定しているそう。なお、ロードスターも100%電動化計画に含まれていて、そのDNAを磨いていくとしています。
先進安全装備では、「Mazda CO-PILOT(副操縦士) CONCEPT」の「1.0」を2022年にラージ商品群に投入。高速道路では、路肩に安全に停車する(一般道では同一車線内)機能も含まれているそう。
コネクティビティでは、「MAZDA CONNECT2」に注目です。操作性、機能性の向上をはじめ、地図のソフトウェアアップデートのほか、「マツダコネクテッドサービス」「MY MAZDAアプリ」も盛り込まれています。
「Mazda CO-PILOT」技術、「コネクティッド」技術の進化については、次世代電気・電子アーキテクチャの開発も含まれています。
(塚田 勝弘)