■好調な離陸をとげたホンダジェットの最新型が発表
2015年から運用が開始されたホンダジェットは、2017年から2020年までの4年連続で小型ジェット機で世界1位の納入機(納入数)になっています。
コロナ禍で移動が国境を越えた制限される中、今後どうなるのか不安要素もありそうですが、「密」を避けられることからプライベートジェットの需要は増えるかもしれません。
そんな中、ホンダの航空機事業子会社のホンダエアクラフトカンパニー(米国ノースカロライナ州)は、現地時間の2021年5月26日、最新型の小型ビジネスジェット機の「HondaJet Elite S」をオンラインで発表しました。
「HondaJet Elite S」は、高度な解析と各種試験を重ねて改良が施された最新型で、運用性能と操縦性をさらに向上したそうです。
機体の最大離陸重量が200ポンド(約91kg)増加したことで、より多くの荷物を搭載したり、燃料搭載量を増やすことで航続距離を最大120ノーティカルマイル(約222km)まで伸ばすことが可能に。
さらに、「アビオニクスシステム」のアップグレードとして、無線通信をテキストメッセージで行う「FAA Data Comm」と「ACARS(オプション)」、パイロットの地上操縦時の負荷を軽減する「ASAS(Advanced Steering Augmentation Syste)」と呼ぶシステムが導入されています。
「アビオニクスシステム」ソフトウェアのアップデートでは、高度にカスタマイズされたホンダジェットのアビオニクスをベースに、「Elite S」には新しい先進的な機能が導入されています。
地上の管制官とパイロット間の連絡をテキスト(文字)ベースのメッセージによるデジタル通信で行うことで、正確で迅速な通信が可能になり、パイロットの負荷を軽減するほか、機体運用の安全性が向上するそう。
「FAA Data Comm」とは、アメリカ国内で提供されているデータ・リンク(デジタル通信)を使用した出発管制承認に係る一連の機上通信システムのこと。従来の音声コマンドをテキストベースのメッセージングに置き換えることで、コミュニケーションの明瞭性と効率性を引き上げることができます。
エクステリアデザインでは、「ガンメタル」「ラックスゴールド」「ディープシーブルー」の3色の新しいカラーデザインが加わったのがトピックス。「Elite S」のロゴは、赤の「S」字が追加され、印象的なスタイルになっています。ボディカラーの選択に応じてカラーをカスタマイズすることも可能。
ホンダエアクラフトカンパニーによる今回の発表は、「Innovation Continues」をコンセプトに掲げています。より高性能で安全性の高い製品を顧客に届けるため、常に最先端技術の開発とさらなるイノベーションに挑み続ける姿勢を強調するものとしています。
好調が伝えられるホンダジェット、「Elite S」の登場により国産ジェットの牽引役としてさらなる飛躍を遂げるのではないでしょうか。
(塚田勝弘)