■立体感を増した3本爪のテールランプに、シーケンシャルウインカーを採用
2021年1月にマイナーチェンジを受けたプジョーのミドルサイズSUVである3008は、フロントグリルを中心に洗練されたデザインが採用されています。
新型3008には、同ブランドの最新世代のデザインが与えられています。まず目を惹くのは、フレームレスになったフロントグリル。細かな横基調のバー(ライン)が美しいグラフィックスを描いています。
また、LEDデイタイムライトは、セイバー(サーベルの意味)と呼ばれる牙状になり、現行208や2008などと同様に、最近のプジョーデザインとの整合性を感じさせます。
このセイバー状のLEDデイタイムライトは、より薄くワイドになり、縦のラインとフロントのアルミホイールを強調する視覚的な効果も狙っているとのこと。LEDデイタイムライトは、「GT」グレードではフルLEDヘッドライト化されています。
リヤフォグ点灯時(日本ではあまり使われませんが)に光度と角度を調整するフォグモードも備わります。また、フロントバンパーは改良前よりも彫刻的な複雑なラインを描いていて、セイバー状のLEDデイタイムライトと共にキリッとした印象を付加。
サイドビューは、リヤドアからキックアップ(上昇)するベルトラインが特徴で躍動感を抱かせる角度になっています。また、お馴染みのライオンの3本の爪をモチーフとしたテールランプは、より立体感のあるデザインに変更。
さらに、シーケンシャルインジケーターが搭載され、先進性・非視認性が向上しています。
一方のインテリアには、こちらもお馴染みの「PEUGEOT i-Cockpit」が採用されています。小径ステアリングのリムの上からのぞくメーターパネル、トグルスイッチ、シフトバイワイヤ化されたセレクターレバーを配置。視線移動や操作時のハンドルリーチが短くすむ同コクピットは、小径ステアリングの操作フィールに少し慣れが必要かもしれませんが、慣れてしまえば心地良い空間になるはず。
なお、「PEUGEOT i-Cockpit」登場時は、チルトステアリングの可動域が小さく、メーターと干渉しないように上側にはあまり動きませんでしたが、最新世代では可動域が大きくなっています。
フランス車に期待されるシートはマイナーチェンジで刷新されていて、「GT HYBRID4」には、アルカンタラ&テップレザーのシート表皮でライトグレー基調カラーになります。
ガソリンとディーゼルの「GT」にも同じシート表皮が採用され、カラーはダークグレー基調に。さらに、「GT HYBRID4」「GT」には、レザーパッケージがオプション設定され、マイナーチェンジ前と同様にナッパレザーシートが継続採用されています。なお、「Allure(アリュール)」系グレードは、ファブリック&テップレザー/ダークグレー基調のシートが備わります。
先進安全装備も最新世代にアップデートされています。最上級モデルであるプジョー508と同等レベルになり、衝突被害軽減ブレーキは、対車両、対歩行者、対二輪車、夜間検知に対応。さらに、停車後3秒位内であれば自動発進するアダプティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付)を搭載のほか、車線維持機能である「レーンポジショニングアシスト」は、車線内における左右の位置をドライバーが選択することが可能だそう。
これにより、日本仕様は右ハンドル車ですので、ドライバーが把握しやすいように少し右寄りに設定したり、逆に左寄りに設定したりすることもできます。今回は高速道路を走ることがなく試す機会はありませんでしたが、高速道路での安心感につながりそうです。
このように、マイナーチェンジ版のプジョー3008は、「GT HYBRID4」の追加以外にも見どころが満載になっています。
(文/写真 塚田勝弘)