目次
■色付きスクリーンやスモークタイプを車検を通すには可視透過率25%が必要
●装着時には、登録時の全幅と全高に対して規定内に収まらなければいけない
スクリーンの基本は透明ですが、色付きやスモーク、ミラータイプなどさまざまなタイプがあり、好みのカスタム化が楽しめます。風や雨除け、また飛び石から身を守るという実用的なメリットがありますが、視界を遮るようなものは車検に通りません。
スクリーンをカスタム化する際に関係する保安基準について、解説していきます。
●スクリーンの効果とは
スクリーンの装着によって、バイクはファッショナブルに変貌しますが、走行中の安全性を向上させる次のようなメリットがあります。
・風や雨、雪除け
長時間走行風を受け続けると、ライダーは空気抵抗に負けないようにと全身に力が入った状態になるので疲労してきます。また雨や雪の走行では、視界が悪くなります。スクリーンを装着することで風圧を避けて疲労を軽減でき、また雨や雪による視界不良も改善できます。
・飛び石や砂塵などをブロック
走行中に飛んでくる飛び石や砂塵などをスクリーンがブロックしてくれるので、身体特に顔を守ってくれます。そのためには、強度のある頑強な素材のスクリーンを選ぶ必要があります。材質としては、アクリル板も使われますが、頑丈さを重視するなら機動隊の盾にも使われているポリカーボネートが安心です。
●スクリーンの色は何でも使えるか
スクリーンは透明が基本ですが、色付きやスモーク、ひと際目立つミラースクリーンもあります。車体やシートの色に合わせれば、ドレスアップできます。色が付いたスクリーンは、サングラスと同じで昼間の眩しさを防ぎますが、夜間走行ではやはり透明スクリーンの方が安全です。
保安基準に適合するかどうかは、色ではなく可視透過率で決まります。可視透過率は、光をどれくらい通すかであり、0%は光を全く通さないことを意味します。適合するためには、透過率25%以上が必要であり、運転に必要な視野が適正に確保されているかどうかです。
●車検に通らないのは
保安基準の「運転に必要な視野を有するもの」に反する事例としては、スクリーンが傷だらけ、ひびが入っている、取り付けがガタガタで安定しないなどがあります。また、視野を遮るような場所にステッカーを貼ると車検は通りません。
器用な人は自分でスクリーンを造ることも可能ですが、その場合スクリーンの角やエッジが立ったものは、安全上の問題から車検を通らないので注意が必要です。
その他、スクリーンを装着した結果、車検登録時の車両寸法(全長、全幅、全高)に対して、大きく外れるものは保安基準不適合になります。以下の規定内に収まらなければいけません。
・車幅:±2cm以内(クラッチレバーの先端からブレーキレバーの先端まで)
・車高:±4cm以内(地面からメーター上部まで)
全長も±3cm以内という規定がありますが、スクリーン装着で長さは変わらないので対象外です。
上記の規定に収まらない場合は、構造変更の申請をしなければいけません。なお構造変更については別頁で詳細に解説します。
最近は、ファッショナブルな様々な色や種類のスクリーンがあります。車検に通るかどうかは、どんな色や種類のスクリーンが付いているかではなく、視野が確保できているかどうかで決まります。
安全にも有効なバイクに合った色のスクリーンを選んでカスタムを楽しみましょう。
(Mr.ソラン)