■高効率を目指して
買ったばかりの「フィット・クロスター」で、海を見ようとドライブに出かけたボクと彼女。「このクルマ、スゴく静かな気がする。エンジンの音ってほとんど聞こえないよね」
街を抜け、高速道路を走っている時に彼女はそう言った。
新型フィットシリーズにはハイブリッドが用意されていて、ボクが選んだのはもちろんハイブリッドだ。その仕掛けはちょっと面白い。
日常走行のほとんどはエンジンが発電機となり、そこで作った電気でモーターを回して走る。だからその状態での走りは電気自動車と同じ感覚で、驚くくらい静かだしとっても滑らか。
いっぽうで、高速走行時などはエンジンの出力を使ってタイヤを駆動する。走行状況によってはそのほうが効率がいいからだ。その時も走りは滑らかで静か。強く加速しようとアクセルを踏み込んだ時はエンジン回転が上がってちょっと煩くなることもあるけれど、そんなシーンはあまり多くない。
燃費も、高速道路をゆっくり走ったり幹線道路を走っているとメーター内の平均燃費計が25km/L以上を示すことも珍しくない。
●もうひとつ教えたいことが
高速道路といえば、高速道路ではカメラで前方を捉えて状況を把握し、ドライバーがアクセルやブレーキを踏まなくてもクルマが自動で速度を調整してくれる「ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」がフィットにも組み込まれている。おかげで高速を運転している時に疲れにくい。
こういった装備は最新コンパクトカーでは当たり前になりつつあるけれど、フィットの凄いところは高速道路で渋滞すると、完全停止するだけでなくドライバーの操作なしに停止状態を保ってくれる(完全停止後の再発進はドライバーの操作が必要)。
これが渋滞時に超便利で、しかもフィットのライバルに相当する国産車の中でそこまでやってくれるのはフィットだけ。彼女は気付いていないと思うけど、新型フィットのちょっとした自慢だ。
「後ろに座ってみてもいいかな」と、後席へ移った彼女。
「こんなに広いんだ、車体は大きくないのに。あっ、肘を置くところ(センターアームレスト)も付いているのがいいね」
そんなふうに驚いている彼女に、もうひとつだけ教えてあげたいことがある。それは、後席はワンタッチで倒れるだけでなく、シート部分が沈み込んで低くてフラットな荷室になるんだよ」ってこと。冬になったら、スノーボードで滑りに雪山へ出掛けるのに最適だと思う。(おしまい)
(文:工藤 貴宏/今回の“彼女”:大城 もも子/ヘア&メイク:東 なつみ/写真:ダン・アオキ)