4代めエクストレイルのエアコン、カーナビを徹底研究【新車リアル試乗 10-12 日産エクストレイル ユーティリティ編・室内空間 後編】

■エクストレイルの快適装備の充実ぶりは

エクストレイルに与えられている快適・便利の装備品をしおりさんと見ていくぞ。
エクストレイルに与えられている快適・便利の装備品をしおりさんと見ていくぞ。

リアル試乗・エクストレイルの第12回めもユーティリティ編で、今回は、空調とオーディオに目を向けます。

●空調/オーディオ

・オートエアコンと吹出口

ひとつひとつのボタンが小さい割に、操作はしやすいパネルだった。
ひとつひとつのボタンが小さい割に、操作はしやすいパネルだった。

少し前までの日産車なら、「フルオートエアコン」「オゾンセーフ・・・」「プラズマクラスター」といった名称が並んでいたものですが、エクストレイルでは単に「オートエアコン」と名乗っています。

エクストレイルの空調は2種。

オートエアコン(エアコン独立温度調整機能(運転席・助手席・後席))。
オートエアコン(エアコン独立温度調整機能(運転席・助手席・後席))。
オートエアコン(エアコン独立温度調整機能(運転席・助手席・後席))。
オートエアコン(エアコン独立温度調整機能(運転席・助手席・後席))。

全機種、室内のゾーンごとに温度調整ができるのと、後席用の吹出口も備わっていますが、S/S e-4ORCEとX/X e-4ORCEは運転席と助手席を個別に、G/G e-4ORCEだけは後席も独立してできるようになっています。当然、後席の温度調整も前席パネルで行えます。

願いはひとつ。

いつもと同じで、くもり止め(デフロスター)だけは風の経路を独立させて他のモード(上半身、上半身/足元、足元)とは無関係にし、かつ温度も外気と近似させて出るようにしてほしい。現状では上半身送風、上半身/足元送風とくもり止めが併用できないのと、冬場の温風のときはガラスの内側が、夏場の冷風のときは外側が結露し、くもり止めを使うことでくもってしまう。

運転席に助手席、まして後席まで独立して温度調整できるくらいならもう1系統加えてデフロスターだけ外気と同等の風温にすることはできるでしょ?

・後席用空調コントロールと吹出口

後席のエアコン操作パネルはコンソール後端にある。
後席のエアコン操作パネルはコンソール後端にある。

G/G e-4ORCEのコンソール後端に設置されています。

コントロールできるのは温度だけで、吹出口や風量はできません。


後席コントロールといっても調整できるのは温度だけだ。
後席コントロールといっても調整できるのは温度だけだ。
後席吹出口。といっても風量は温度に依存し、夏のクーラー風になると潤沢な風が出るが、高めの温度のヒーターのときは出口が前席下足元にまわるため、ここからの風はほんのわずかになる。
後席吹出口。といっても風量は温度に依存し、夏のクーラー風になると潤沢な風が出るが、高めの温度のヒーターのときは出口が前席下足元にまわるため、ここからの風はほんのわずかになる。

手をかざしたら虫の息みたいな風量だったので、最初は故障か設計ミスを疑ったのですが、これは前席でヒーターONにしていたためで、温度を下げたら風が強力に…どうやら風の出口選択および風量は設定温度に依存しているようで、温度が高い暖房のときは前席下からの風量が豊かになり、低い冷風のときは後席吹出口から存分に吹き出すという仕様らしい。

というわけで、簡易的な感じがしますが、これはこれで不便はないように思います。

・前席シートヒーター/後席シートヒーター

後席のエアコン操作パネル。
後席のエアコン操作パネル。

さきのしおりさんの指先右上に見えるのは後席シートヒーターのスイッチ。

この後席シートヒーターは、次項ステアリングヒーターとともにe-4ORCE車全機種と2WDのGに標準装備、2WDのXに両者セットの工場オプションとなっています(ホットプラスパッケージ)。

前席のシートヒーターは全機種に標準で与えられ、そのスイッチは前席空調パネル内にあります(前席オートエアコンパネル写真内)。

<換気性能>

測定器で厳密に測るのではなく、クルマのラム圧(走行風圧)による外気導入量を、空調設定を「上半身送風」「ファンOFF」、内外気切り替えを「外気導入」にし、80km/h、100km/hで走行時の外気の自然導入量を測定器で厳密に測る・・・のではなく、センター吹出口に手をあてて感覚的に測るという方法で見てみました。

結果は以下のとおり。

今回は電動ガラスルーフがついているクルマなので、チルトアップしての測定(というにはいいかげんだが)もしてみました。

【80km/h時】
ファン風量全7段階のうち、以下それぞれの状態で次のファン風量に相当。

・全窓閉じ:0.4
・運転席窓30mm開:1.0
・助手席窓30mm開:1.0
・両席窓 30mm開:1.4
・ガラスルーフチルトアップ:1.2

【100km/h時】
ファン風量全7段階のうち、以下それぞれの状態で次のファン風量に相当。

・全窓閉じ:0.6
・運転席窓30mm開:1.2
・助手席窓30mm開:1.2
・両席窓 30mm開:1.5
・ガラスルーフチルトアップ:1.8

まあ、センター吹出口に手をあてての感覚的なものでしかないので、参考になるかどうかわかりませんが、ま、よかったら参考にしてみてください。

ティーダでサンルーフをつけた者の経験ですが、夏場に乗り込む前、まず先にサンルーフを全開にすると車内の熱気が早く抜けるのと、冬場にヒーター温度を高めにして顔まわりが暑くなってしまったとき、温度を下げるのではなく、サンルーフをチルトアップすると、街乗りでも100km/h走行時でも実にちょうどいい温度分布になります。

・ステアリングヒーター

ステアリングヒーター。
ステアリングヒーター。

最近はエンジンの熱効率向上からヒーターの効きが遅くなり、シートヒーターにステアリングヒーター・・・つまりエンジン冷却液を熱源としない暖房を備えるクルマが増えました。エンジンが暖まるのが遅いため、電熱線で先に寒さをしのいでもらおうという考え方です。

スイッチは空調パネル内にあり、押すとハンドル表面が約20℃超となり、約30分経過または再度スイッチを押しすると停止します。夏場でもスイッチを押すと暖まるクルマがありますが、このクルマではハンドル表面が約20℃以上のときは作動しないのはよく考えられています。

・Nissan Connect ナビゲーションシステム(地デジ内蔵)

Nissan Connect ナビゲーションシステム(地デジ内蔵)。
Nissan Connect ナビゲーションシステム(地デジ内蔵)。

エクストレイルは、S/S e-4ORCEとX/X e-4ORCEはスピーカーだけ4つ与えられたオーディオレスが標準装備。Nissan Connect ナビゲーションシステムはX/X e-4ORCEに他の品目とセットで工場オプションで、G/G e-4ORCEに標準装備。

目的地が自車左になるよう案内する設定項目がある。筆者が知る限り、純正メーカー品ではたぶん日産だけ。市販品ではケンウッドだけだ。
目的地が自車左になるよう案内する設定項目がある。筆者が知る限り、純正メーカー品ではたぶん日産だけ。市販品ではケンウッドだけだ。

筆者はU14ブルーバードで、CD-ROMの頃から「バードビュー」のナビを使っていますが、この頃から「あったらいいな」と思っていた、目的地を車両の左に来るように案内するロジックが、このナビには入っています(「横付け考慮」)。2008年に買ったティーダにもなく、少なくとも現行スカイラインの時点でこの機能を入れていたようですが、筆者の知る限り、自動車メーカーでこのロジックを入れているのはいまに至るもたぶん日産だけで、市販品ではケンウッドの製品くらい。

地図も見やすく、過去代々の使いやすかった操作ロジックのいくつかは継承されており、日産ナビを使い続けているひとはたぶん抵抗なく使うことができるでしょう。

画面が大きい割に、左上の時計、ETCカードセット有無などの表示が小さい。もっと大きくしてほしい。
画面が大きい割に、左上の時計、ETCカードセット有無などの表示が小さい。もっと大きくしてほしい。

不便だったのは、画面左上のETCカードが入っているときに示される、時刻表示やETC、Nissan Connectの受信状態を示すマークのサイズを小さすぎること、本体右や画面下のスイッチアイコンに、それが何なのかを示す文字を併記してほしいことの2つ。

ETCマークはいまカードが入っていてゲート通過が可能なのかどうか、小さすぎてわかりにくく、大きくしてほしいし(好みに調整できるならなおいい)、下部スイッチは即座に意味がわかりにくく、その中のひとつ、ヘッドホンマークのボタン(情報センターに接続する「オペレーターサービス」ボタン)を何となくオーディオボタンと勘違いしてタッチしてしまい、女性オペレーターにつながって「ハ! いや・・・まちがえました。す、すいません。」と大ハジと大汗をかきました。

ティーダのときも物理ボタンをうっかり押しちまい、カーウイングスにつながってあわてたことがあったっけ。

地図ショートカットメニューは入れ替えができるのが親切。
地図ショートカットメニューは入れ替えができるのが親切。

もっともその下部スイッチ群「地図ショートカットメニュー」は、好みで他のスイッチに変更したり非表示にしたりできるのが親切。ユーザー任意でできるようになっていないナビのほう大多数です。

・Nissan Connect サービス

Nissan Connect サービス画面。
Nissan Connect サービス画面。
Nissan Connect サービスアプリ画面。
Nissan Connect サービスアプリ画面。

ここもかつてのカーウイングスで見た覚えのある項目が並ぶ。

カーウイングス時代は携帯電話なりスマートホンなりが必須でしたが、そんなものを持っていないひとのエクストレイルでも、いまはクルマ自身が通信ユニット(TCU:Telematics Control Unit)を持ち合わせているので、先述のスイッチが画面下に出ていれば同乗の飼い犬が前足でタッチしてもオペレーターにつながります。わん!

ナビ関連ならプローブ情報や、オペレーターに接続して代理で操作してもらえる「目的地検索」「情報チャンネル」などはカーウイングス時代にもありましたが、Nissan Connectでは地図更新やグーグル検索、目的地の航空写真まで表示するほか、スマートホンに入れたアプリケーションで駐車位置がわかる「マイカーファインダー」、ドア開閉やロック状況を確認できる「リモートマイカーチェック」、e-POWERシステムをリモート始動させ、空調を約10分間作動させておく、市販のリモコンエンジンスターターの自動車メーカー版「乗る前エアコン」など、こんなもの不要とは思いながらも、あればあったで便利に常用してしまいそうな機能が多数。Android AutoやApple CarPlayもあります。

SOSコールも含め、「エクストレイル用Nissan Connect サービス」への加入が必要になる。
SOSコールも含め、「エクストレイル用Nissan Connect サービス」への加入が必要になる。

もっともタダというわけにはいかず、第10回で紹介した「SOSコール」も含めて「エクストレイル用Nissan Connectサービス」への加入と年間7920円(「スタンダード+(プラス)」プラン)が必須になるのと、サービスをフルで受けたいとなるとやはりスマートホンが必要になってきます。

・ステアリングスイッチ(オーディオ・ハンドフリー電話関連)

ステアリングスイッチ(右スポーク・ハンドフリー電話関連)
ステアリングスイッチ(右スポーク・ハンドフリー電話関連)
ステアリングスイッチ(左スポーク・オーディオ関連)
ステアリングスイッチ(左スポーク・オーディオ関連)

またまたステアリングスイッチの登場です。

といってもこのへんは他社の他車と大きく変わることはなく、ハンドル左スポークにオーディオ関連がまとめられており、右スポークにはハンドフリー電話がらみのスイッチがひとくくりになっています。

配列は写真のとおり。

ティーダ時代のステアリングスイッチはナビ操作もできましたが、いまは廃止されています。けっこう使いものになっていて便利だったのに。

・インテリジェントアラウンドビューモニター

しおりさんとともに再登場。

フロントが「トップビュー+フロントビュー」「サイドブラインドビュー+フロントビュー」「フロントビュー」の3種、リヤが「トップビュー+リヤビュー」「サイドブラインドビュー+リヤビュー」「リヤビュー」3種の計6とおり。

操作法その他詳細は「車庫入れ編」を。

車両とその周囲を疑似的に描くトップビューは、日産が2代目エルグランドの途中で最初に実用化。日産がテレビコマーシャルでさかんにPRしたせいで、友人が「やまちゃん、あれは衛星使ってるの?」と聞いてきたことを、このトップビューを見るたびに思い出します。

フロントグリルNISSANマーク下、左右ドアミラー、バックドアに設けた4つのカメラからの画像を合成してトップビューを画面左に描写。右にはシフトRかR以外かでフロントビュー、リヤビューを切り替えます。また、画面右下の物理スイッチでも切り替え可能。

注意点は、できるだけ広い範囲を映すべく広角レンズを使っているため、どの画像も肉眼で見たときよりもひずんだものとなり、距離感が変わってくることです。画像では障害物と車体に距離があるように見えても、実際はスレスレなまでに接近しているので、この点にご注意あそばせなさいまし。

今回はこれにて。

次回も引きつづきユーティリティ編。

もうしばらくお付き合いのほどを。

(文/写真:山口尚志 モデル:星沢しおり)

【試乗車主要諸元】

■日産エクストレイル G e-4ORCE アクセサリー装着車〔6AA-SNT33型・2022(令和4)年7月型・4WD・ステルスグレー&スーパーブラック2トーン/ブラック内装〕

★メーカーオプション(税込み)
・アダプティブLEDヘッドライトシステム(オートレベライザー付):3万3000円
・クリアビューパッケージ(リヤLEDフォグランプ):2万7500円
・BOSE Premium Sound System(9スピーカー):13万2000円
・ステルスグレー/スーパーブラック 特別塗装色:7万7000円
・ルーフレール+パノラミックガラスルーフ(電動チルト&スライド、電動格納式シェード付):18万1500円

★販社オプション(税込み)
・グリルイルミネーション(インテリジェント アラウンドビューモニター付車用):6万3840円
・日産オリジナルドライブレコーダー(フロント+リヤ):8万6302円
・ウインドウ撥水 12ヶ月(フロントガラス+フロントドアガラス撥水処理):1万1935円
・ラゲッジトレイ:1万7800円
・デュアルカーペット:3万9800円
・滑り防止マット:1980円
・アドベンチャーズパッケージ(リモコンオートバックドア・インテリジェント アラウンドビューモニター付車用):16万3118円(セット内容:フロントアンダーカバー、リヤアンダーカバー、フロントバンパーフィニッシャー(ブラック))
・フードディフレクター:2万9800円

●全長×全幅×全高:4660×1840×1720mm ●ホイールベース:2705mm ●トレッド 前/後:1585/1590mm ●最低地上高:185mm ●車両重量:1880kg ●乗車定員:5名 ●最小回転半径:5.4m ●タイヤサイズ:235/60R18 ●エンジン:KR15DDT型(水冷直列3気筒DOHC) ●総排気量:1497cc ●圧縮比:8.0-14.0 ●最高出力:144ps/2400-4000rpm ●最大トルク:25.5kgm/2400~4000rpm ●燃料供給装置:ニッサンDi ●燃料タンク容量:55L(無鉛レギュラー) ●モーター型式(フロント):BM46 ●種類:交流同期電動機 ●最高出力:204ps/4501-7422rpm ●最大トルク:33.7kgm/0-3505rpm ●動力用電池(個数/容量):リチウムイオン電池(-/-) ●モーター型式(リヤ):MM48 ●種類:交流同期電動機 ●最高出力:136ps/4897-9504rpm ●最大トルク:19.9kgm/0-4897rpm ●動力用電池(個数/容量):リチウムイオン電池(-/-) ●WLTC燃料消費率(総合/市街地モード/郊外モード/高速道路モード):18.3/16.1/19.9/18.4km/L ●JC08燃料消費率:-km/L ●サスペンション 前/後:ストラット式/マルチリンク式 ●ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク ●車両本体価格478万8700円(消費税込み・除くメーカーオプション)