生産終了となった3列シートSUV・マツダ「CX-8」の中古車相場がジワリと値上がり傾向【中古車】

■3列シートSUVブームの火付け役! その実力はまったく色褪せていない

80年~90年代の国産スポーツカーなどの一部の車種を除いて、一般的に年始になると中古車相場は下がる傾向となります。その理由は年式が1年進むからです。そんな状況下で、年末を底値に値上がり傾向となっている車種を見つけましたので、紹介したいと思います。

琵琶湖の畔でCX-8の記念撮影
琵琶湖の畔でCX-8の記念撮影。往路でも燃料計は半分以上を指していた

現在、中古車相場が値上がり傾向となっているのは、2017年に登場し、2023年12月をもって生産終了となったマツダCX-8です。

今回は、CX-8の最新の中古車相場の状況と、どのようなモデルだったのかを確認するために1,000kmのインプレションを行いましたので紹介します。

●ミニバンじゃなく、SUV!

CX-8グランドジャーニーのフロントスタイル
CX-8グランドジャーニーのフロントスタイル

マツダがミニバンに変わる新しい提案として、2017年に販売開始した3列シートSUVのマツダCX-8は、これまで3列シート車=ミニバンという図式を崩すことに成功し、3列シートSUVという新しいムーブメントを確立したモデルです。

CX-8グランドジャーニーのリアスタイル
CX-8グランドジャーニーのリアスタイル

全長約4.9mのCX-8は、5人乗りのCX-5のボディをストレッチしたモデルではなく、海外で販売されているCX-9をベースに日本市場に合わせてダウンサイジングさせたモデルです。

CX-8は、ボディ剛性の向上やフロントダンパーに「リバウンドスプリング」を採用することで、コーナリング時の安定性の安定を実現。また、後輪フェンダーパネルなどに制振材を採用することで、ロードノイズの音源となる車体の共振を抑制しているのが特徴です。

グランドジャーニーのインストルメントパネル
グランドジャーニーのインストルメントパネル

CX-8のキャビンスペースは、3列目まで大人が乗れる居住性、無理のない優れた乗降性を確保しながら、3列目までの定員乗車時でも荷室容量はゴルフバッグ2個を搭載できる239Lを確保。さらに、3列目シートを倒せば572Lのラゲッジ容量を確保しています。

V8自然吸気エンジンに匹敵するトルクを発生する2.2Lディーゼルターボエンジン
V8自然吸気エンジンに匹敵するトルクを発生する2.2Lディーゼルターボエンジン

CX-8に搭載してされているエンジンは、デビュー当初最高出力190ps・最大トルク450Nmを発生する2.2リッター直4ディーゼルターボの1種類。組み合わされるトランスミッションは、6速ATを採用。そして、駆動方式は2WD(FF)とi-AVTIV AWDと呼ばれる新世代4WDを採用しています。

さらに、マツダ独自の技術「G-ベクタリングコントロール」を搭載し、ドライバーとともに乗員全員が街乗りからロングドライブまで楽しめるように仕上げています。そして、燃費性能は実走行に近いWLTCモードで15.4~15.8km/Lと、駆動方式による差が非常に小さくなっているのが特徴です。

追従走行の制御の質感も向上
追従走行の制御の質感も向上

運転支援システムは、先進安全技術「i-ACTIVSENSE」の標準装備に加えて、車両の前後左右に装着された4つのカメラ映像を、様々な走行状況に応じて切り替えてセンターディスプレイに表示して、死角や障害物との距離を目視で確認できるようにする「360°ビューモニター」を設定するなど、充実した運転支援システムを採用しています。

シートヒーターに加えて、ステアリングヒーターも装備
シートヒーターに加えて、ステアリングヒーターも装備

CX-8は2017年の販売開始以降、毎年のように一部改良を実施して、進化しています。2018年6月には7人乗りの本革シート仕様の追加。そして同年10月には最高出力190psを発生する2.5リッター直4ガソリンエンジンと、最高出力230psを発生する2.5リッター直4ガソリンターボエンジンを追加。これによりCX-8は3種類のパワートレインから選べるようになりました。

万が一の際に役立つSOSコールも採用
万が一の際に役立つSOSコールも採用

高速走行時や滑りやすい路面でも、安定した車両挙動を実現。意図しない急な動きを抑制し、乗員の不安感を軽減する「G-ベクタリングコントロールプラス」を全車に標準装備。さらに、コネクティビティシステム「マツダコネクト」のスマートフォンの連携強化。

安全装備では、運転支援システムのアドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポートに、夜間歩行者検知機能を追加するなど商品性を強化しています

CX-8の中古車はディーゼル車が多くを占める
CX-8の中古車はディーゼル車が多くを占める

2019年の一部改良では、2.5Lエンジン車に4WD、2.5Lターボエンジン車に2WDを追加し、すべてのエンジンで2WDと4WDを選べるようにしました。また、WVGAセンターディスプレイのサイズを7インチから8インチに拡大するなどを行っています。さらに、2列目に電動スライド&リクライニング機構を採用した特別仕様車の「エグゼクティブモード」を設定しています。

225/55R19というサイズのタイヤを装着する
225/55R19というサイズのタイヤを装着する

2020年の一部改良では、2.2リッター直4ディーゼルターボエンジンを、従来の190psから200psへと向上。また、6速ATの応答性を向上させ、ドライバーが素早くアクセルを踏み込んだ際に、より素早く変速するようになりました。

快適装備では、ハンズフリー機能付きパワーリフトゲートの採用をはじめ、ワイヤレス充電、最大10.25インチまでセンターディスプレイのサイズの大型化を図るなど快適性を向上しています。さらに、プロアクティブをベースとした特別仕様車の「ブラックトーンエディション」を設定しています。

ミードライブのスイッチ
ミードライブのスイッチ

そして2022年11月には大幅改良を行い、内外装の変更に加えて、マツダ3から採用している車両構造技術「スカイアクティブビークルアーキテクチャー」の考え方を取り入れ、長時間運転しても疲労感の少ない運動性能を目指し、すべての乗車位置で揺れを軽減し、快適性を向上させています。また、走行シーンに応じて、スイッチ操作一つで任意に走行モードが切り替えられるミードライブを新採用しました。

視認性の優れたメーターパネル
視認性の優れたメーターパネル

安全装備では、3列目乗車時の後方からの追突に対する衝突安全性の確保に加え、アダプティブLEDヘッドライト(ALH)の進化や、クルージング&トラフィック・サポート(CTS)を採用し、安全性を向上させています。

さらに特別仕様車として、アウトドア色を強めた4WD車のみのグランドジャーニー。全身をブラックでまとめて上質さを表現したスポーツアピアランスを追加しています。

●生産終了と同時に中古車相場が値上がりに転じた

約6年販売されたCX-8の中古車の流通台数は現在約1,370台で、中古車の平均価格は約265万円となっています。2023年12月末の時点では、中古車の平均価格が260万円を切っていたので、すでに5万円ほど値上がりしています。

CX-8は2023年12月で生産終了となったので、高年式の中古車が出回ったことによる値上がりと思われると思いますが、流通台数は底値となった2023年12月末が約1,700台と最近のピークで、それ以降は減少となっています。

サードシートの横にもカップホルダーとUSBジャックを設置
サードシートの横にもカップホルダーとUSBジャックを設置

したがって、CX-8は中古車の流通台数は減少する一方で、中古車の平均価格は値上がりという厳しい状況となっているのです。現状は小幅な値上がりに留まっていますが、今後はどのような動きになるのか予想するのは難しいです。

約1,370台流通しているCX-8の中古車ですが、2017~2019年式までが約860台と約63%を占めています。それ以降の年式は100台~150台程度とやや少なめです。

センターコンソール裏に後席用のエアコン操作パネルを設置
センターコンソール裏に後席用のエアコン操作パネルを設置

ただし、CX-8は先ほども紹介したように、毎年のように改良が加えられて進化しています。その進化の度合いが大きいので、買い時が難しいですが、最初の車検サイクルを迎える2020年12月の一部改良後のモデルならば満足感も高いでしょう。

CX-8にちなんで滋賀県内の国道8号線を走行
CX-8にちなんで滋賀県内の国道8号線を走行

グレードでは圧倒的にディーゼルエンジン搭載車が多いですが、250万円付近では2.5Lのガソリンエンジン搭載車が多くなっているのが特徴です。

後継車と言われているCX-80の登場が遅れているようですが、3列シートSUVはファミリーカーとして貴重な存在です。今回も滋賀県まで約1,000kmのロングドライブを行いましたが、ADASと呼ばれる運転支援機能の制御にも磨きがかかり、ドライバーの負担を軽減してくれます。

近江八幡市にある藤ヶ崎神社。辰年なので龍を祭っている神社を参拝
近江八幡市にある藤ヶ崎神社。辰年なので龍を祭っている神社を参拝

2.2Lディーゼルエンジンはトルクたっぷりで、高速道路での追い越し加速もスムーズにもかかわらず、トータル燃費は14.3km/Lと優れた燃費性能も発揮し、走行可能距離は1,000kmを突破しています。

筆者は昨年CX-60のPHEVで同じようなロングドライブを行いましたが、セカンドシートの座り心地はCX-8よりもCX-60の上だと感じました。

初期型のCX-8に乗っていて、CX-80の登場を待っているユーザーも多いでしょうが、熟成の進んだCX-8に乗り替えるというのもアリだと思います。

(文・写真:萩原 文博)

この記事の著者

萩原 文博 近影

萩原 文博

車好きの家庭教師の影響で、中学生の時に車好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。
そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、車の魅力だけでなく、車に関する情報を伝えられるように日々活動しています!
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