ヤマハが2輪最高峰レースMotoGPのワークスマシン「YZR-M1」の2024年モデルを公開。空力パーツの進化でタイトル奪還なるか?

■2024年モデルのカラーは同じ。でも中味が違う?

ヤマハ発動機(以下、ヤマハ)は、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで、2輪最高峰レースMotoGPに参戦するワークスマシン「YZR-M1」の2024年モデルを公開しました。

ワークスチーム「モンスターエナジー・ヤマハMotoGP」のスタッフ
ワークスチーム「モンスターエナジー・ヤマハMotoGP」のスタッフ

2024年2月5日、MotoGPオフィシャルテストに合わせたチーム発表会に登場したのは、ワークスチーム「モンスターエナジー・ヤマハMotoGP(Monster Energy Yamaha MotoGP)」が投入する2024年型YZR-M1。

カラーリングやグラフィックなどは、ほぼ2023年モデルを踏襲していますが、フロントのウイングレットがより大型化されるなどで、各部をアップデート。エアロダイナミクスを含め、「見た目以上に大きく変化」しているといいます。

また、発表会には、ワークスマシンを駆るライダー、2021年MotoGPチャンピオンのファビオ・クアルタラロ選手と、ホンダのサテライトチーム「LCRホンダ」から移籍し、2024年シーズンからチームに加入するアレックス・リンス選手も参加。それぞれに、2024年シーズンへの意気込みなども表明しました。

●空力パーツなどに変化あり

2024年型YZR-M1のカラーリングは、前述の通り、従来モデルとほぼ同様です。ヤマハブルーを基調とし、サイドカウルにはメインスポンサーのモンスターエナジー社を象徴する特大の「モンスター・クロー(爪)」が目をひきます。アンダーカウルに日本の石油メーカー「ENEOS(エネオス)」のロゴが入っているのも、2023年仕様と同じですね。

クアルタラロ選手が乗る#20の2024年型YZR-M1
クアルタラロ選手が乗る#20の2024年型YZR-M1

見た目で大きく違うのが外観です。フロントのウイングレットは2023年モデル以上に大型化されているほか、サイドカウルにも空力パーツらしきエアロを装備。近年のMotoGPマシンは特にエアロダイナミクスが重要とされているだけに、新型のエアロパーツなどが、どれほどの効果を示すのかが気になるところです。

それ以外で、どこが進歩したのかなどは未公開。ですが、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPのチーム代表であるリン・ジャービスさんによれば、

2023年型YZR-M1
2023年型YZR-M1

「ヤマハのエンジニアたちはここまで、マシン開発を懸命に続けてきました。カラーリングは以前と同じですが、2024年型のYZR-M1は見た目以上に大きく変化しているのです」

とコメント。カウリングの内側などに、どんなアップデートが施されているのかも注目ですね。

●王座奪還を狙う実力派ライダーたち

一方、2024年シーズンのMotoGPに、ヤマハのワークスチームから参戦するライダーたち。エースライダーには、昨年と同様にフランス人ライダーのファビオ・クアルタラロ選手を起用。2021年シーズンにフランス人として初のMotoGPチャンピオンに輝いた実力者が、再びヤマハのワークスマシンを駆って王座奪還を狙います。

アレックス・リンス選手と2024年型YZR-M1
アレックス・リンス選手と2024年型YZR-M1

また、もう1人のライダーには、2024年シーズンからスペイン人のアレックス・リンス選手が加入。リンス選手といえば、2017年からスズキのワークスチーム「チーム・スズキ・エクスター」に所属。スズキが、2022年シーズン限りでMotoGPから撤退した後の2023年シーズンは、ホンダのサテライトチームであるLCRホンダに所属していたライダーです。

特に、スズキ時代には、そのアグレッシブな走りに定評があり、数多くの活躍を披露。2022年の最終戦、スズキのラストレースであるバレンシアGPでも優勝を飾り、スズキに有終の美を贈ったことでも知られています。

ホンダで闘った2023年シーズンは、怪我による欠場も多かったのですが、体調が万全であれば、確実に上位を狙えるライダーであることは間違いなしです。

ちなみに、クアルタラロ選手とリンス選手は、2024年シーズンへの意気込みなどを語っているので、紹介しましょう。

ファビオ・クアルタラロ選手と2024年型YZR-M1
ファビオ・クアルタラロ選手と2024年型YZR-M1

【ファビオ・クアルタラロ選手のコメント】

「新たなシーズンの始まりは、いつでもとてもエキサイティングです! 全員がまたゼロからスタートするのです。セパンテストでは私もチームも、できるだけ多くのことに取り組もうと意気込んでいます。

実際のシーズン開幕はまだ先ですが、ここでよいスタートを切ることが、後になって大きなアドバンテージを生むことになります。ですから、いつものように毎日、毎セッション、毎走行、毎ラップで全力を尽くします。

ヤマハがハードワークを続けてきたことはよく理解しています。あとは私とチームがあらゆる場面で限界まで自分たちを追い込むことができれば、必ず素晴らしいシーズンになるはずです。私はトップ争いをしたいですし、もう一度、表彰台の一番上からファンの皆さんに挨拶したいと思っています!」

【アレックス・リンス選手のコメント】

「(2023年11月に実施された)バレンシアテストとシェイクダウン・テストに参加し、チームとの対面やYZR-M1の初走行もすでに終えています。でも今日のチーム発表会では、まるで加入初日のようなワクワクした気持ちがまた戻ってきました。

リンス選手が乗る#42の2024年型YZR-M1
リンス選手が乗る#42の2024年型YZR-M1

バレンシアではいい走りができたので、(今回の)セパンでもそのまま順調に仕事を継続していきたいと思っています。

テスト項目はたくさんありますが、自信を持っています。適応しやすいマシンなので、今回のテストでさらに何歩か前へ進むことができるでしょう。身体づくりにもしっかり取り組み、ベストの状態でテストを迎えることができました。今はとにかく、早くマシンに乗りたいです!」

まさに、日本製バイク、そしてMotoGPのスペシャリストといえる2名のライダーたち。彼らが、2024年シーズンに、ヤマハ機を駆り、どんな活躍をみせてくれるのかが注目されます。

ちなみに、2024年のMotoGPは、昨年と同様に、1大会でスプリントレースと本番レースを実施し、全21ラウンド、計42レースが予定されています。開幕戦は2024年3月8日〜10日に、中東のカタールで開催。今からとっても楽しみですね。

(文:平塚 直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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