普通免許で運転できるいすゞのバッテリーEV「エルフミオEV」は、ディーゼル車のように多様な架装に対応

■コネクテッド技術が応用された「PREISM(プレイズム)」に対応

いすゞは、小型トラックのバッテリーEV(BEV)である「エルフEV」に、車両総重量3.5t未満の「エルフミオEV」を追加し、2023年1月5日から販売を開始しています。

国土交通省によると日本における運輸部門のCO2排出量は17.4%(2021年度)を占めているそうです。物流業界でもカーボンニュートラル化が求められている中、慢性的なドライバー不足に加えて、「2024年問題」も間近に迫り、課題の深刻さが増しています。

いすゞのバッテリーEV「エルフミオEV」がリース販売で新登場
いすゞのバッテリーEV「エルフミオEV」がリース販売で新登場

いすゞは、こうした課題に対し、同初の量産BEV「エルフEV」を2023年春に市場投入。またドライバー不足の問題にも着目し、2017年の改定により普通自動車免許でも運転できる、車両総重量3.5t未満の小型バッテリーEVトラックの開発にも注力し、今回の「エルフミオEV」発売に至っています。

エルフミオEVには、同社のコネクテッド技術が応用された「PREISM(プレイズム)」に対応。事務所など遠隔地でもバッテリーの充電、劣化状況などの車両コンディションを把握できるほか、万一の故障の際はいすゞサービス工場が遠隔車両情報を活用し、迅速に修理対応するというサービスです。

さらに、BEVならではの課題に対しては、BEVの運行シミュレーションなどの導入検討サポートをはじめ、充電器設置、最適な充電スケジュールの提案といった導入課題の解決、CO2削減量効果分析など導入効果の定量化といった、車両にとどまらないトータルソリューションプログラム「EVision(イービジョン)」も提供。

ハードとソフトの両面からベストなBEV導入、カーボンニュートラル戦略の立案までサポートされます。

また、リヤボディの架装性は、いすゞの商品開発の基盤である「I-MACS」が採用され、車両の操作系やレイアウトがディーゼル車と可能な限り共通化されています。

「I-MACS」は、「Isuzu Modular Architecture and Component Standard」の略称。技術進化や車型展開のさらなる広がりを見据え、多様なニーズに合わせ、様々なコンポーネントや部品、デバイスなどの組み合わせを可能とする開発手法のことです。「I-MACS」により、今までディーゼル車で使われてきた様々な架装にも対応可能で、利便性を損なうことなくBEVを導入することが可能になります。

そのほか、キャビンの乗り心地や快適な空間作りにも配慮され、ステアリングの小径化やシート素材向上、スライドピッチの最適化など、快適なキャブ空間に仕立てられています。

さらに、ドライバーの安全を確保するため、小型クラスながらも、全車速車間クルーズをはじめ、ドライバー異常時対応システムやドライバーステータスモニター、可変配光型LEDヘッドランプ、プリクラッシュブレーキ(直進時・右左折時)、交差点警報、自動作動機能付き電動パーキングブレーキなどの先進安全装備、運転支援機能も搭載されています。

●主な仕様:普通自動車免許対応(車両総重量3.5t未満)、標準キャブ/標準ホイールベース/フラットロー
●モーター/バッテリー:交流誘導電動機/リチウムイオンバッテリー
●モーター最高出力:90kW
●モーター最大トルク:370Nm
●バッテリー容量:40kWh(社内参考値)
●充電方法:普通充電/急速充電(CHAdeMO方式)
●一充電走行距離:115km(WLTCモード)国土交通省審査値
●ボディサイズ:全長4690×全幅1695×全高1965mm
●最大積載量:1050kg
●車両総重量:3490kg
●乗車定員:3名
※価格は、リース販売のため非公表

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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