“117クーペ”や“ベレG”を生んだいすゞが世界展開する「D-MAX」を日本で買うには?

■マツダや米シボレーにも「D-MAX」をOEM供給

Isuzu「117クーペ」のエクステリア
Isuzu「117クーペ」のエクステリア

ISUZU(いすゞ)と聞くと、今では大型トラックやバスのメーカーを連想しますが、かつてはスタイリッシュな乗用車を生産・販売していたのをご存知でしょうか?

人気モデルではユーミンの楽曲「コバルト・アワー」の歌詞にも登場する“白いベレG”こと、2ドアクーペの「ベレット1600GT」(1964~1973年)や、伊ジウジアーロのデザインによる「117クーペ」(1968~1981年)、6ライトセダンの「フローリアン」(1967~1982年)などが存在しました。

Isuzu「ベレットGT」のサイドビュー
Isuzu「ベレットGT」のサイドビュー

また比較的新しいところでは、GMと共同開発した「ジェミニ」(1974~2000年)や、ジウジアーロによる117クーペ後継の「ピアッツァ」(1981~1994年)などが挙げられます。

Isuzu「ジェミニ」のエクステリア
Isuzu「ジェミニ」のエクステリア

そんないすゞは、現在もスタイリッシュなミドルサイズのPPV(パッセンジャー・ピックアップ・ビークル)をタイ/南ア/インドの3拠点から世界約100ヵ国以上に向けて輸出しています。

代表的な人気モデルが米GMと共同開発した「D-MAX」で、マツダ向けには「BT-50」を、米シボレー向けには「コロラド」をそれぞれOEM供給。

Isuzu「MU-X」のエクステリア
Isuzu「MU-X」のエクステリア

現在生産中のモデルは3代目(2019年~)で、同車にはSUV仕様の「MU-X」も存在。

こちらもASEAN地域をはじめ、豪州など世界60ヵ国以上に輸出され、人気を博しているようです。

●ところでいすゞ「D-MAX」って、どんな車?

Isuzu「D-Max」のエクステリア
Isuzu「D-Max」のエクステリア

D-MAXの車両サイズは、全長5,265×全幅1,870×全高1,790mm、ホイールベースが3,125mmと、ほぼトヨタのハイラックスに近いイメージ。

2WDとAWD仕様が用意されており、ダブルキャブの他、シングルキャブも設定されています。

Isuzu「D-Max」の3.0Lエンジン
Isuzu「D-Max」の3.0Lエンジン

またパワートレーンは3.0L(188ps/45.8kgm)と1.9L(163ps/36.7kgm)の直4ディーゼルターボエンジンに6AT/6MTを組み合せており、3.0Lエンジンは1,600~2,600rpmの回転域でビッグトルクを発生します。

Isuzu「D-Max」のリヤビュー
Isuzu「D-Max」のリヤビュー

エクステリアでは迫力のあるラジエターグリルやLEDプロジェクター式ヘッドランプが目を惹くと共に、Cピラー後部に設けたスタイリッシュなエアロスポーツバーが、D-MAXのスタイリングを引き立たせています。

Isuzu「D-Max」のOPTパーツ
Isuzu「D-Max」のOPTパーツ

豪州向けにはフロントバンパーガードや、計18個のLED(90W)を50センチ幅にズラリ並べた補助ライトがオプションで設定されています。足元にはグロス・ブラックの18インチアロイホイールを装備。

一方、インテリアにはAndroid Auto/Apple CarPlayに対応した9インチスクリーンのインフォテインメントシステムや8スピーカーのオーディオシステムを搭載。

さらに安全面では、厳しいANCAPの新基準で5つ星評価を獲得した、最新の安全装備を搭載。前方衝突警報、自動緊急ブレーキ、アダプティブクルーズコントロール、アテンションアシスト、車線逸脱警報システム、車線逸脱防止、緊急車線維持なども装備。

●日本で「D-MAX」を買う方法は?

Isuzu「D-Max」の悪路走行シーン
Isuzu「D-Max」の悪路走行シーン

かつては日本でも販売されていたファスターやロデオの後継にあたる「D-MAX」ですが、なぜこんな魅力的なモデルを開発しておきながら、日本で販売しないのか?と不思議に思うかもしれません。

しかし同社は、過去に高価格&少品種販売を続けた結果、90年代以降に販売シェアを落として深刻な経営危機に陥り、1993年に乗用車の開発・生産から撤退。大規模な人員削減を余儀なくされ、国内販売をトラック・バス部門に統合したことで、乗用車部門の販売網を失うことになります。

Isuzu「D-Max」のフロントマスク
Isuzu「D-Max」のフロントマスク

つまり、「D-MAX」を日本に導入しても販売網が無いため、アフターケアが行えず、販売は専ら海外が中心になっているというのが実情のようです。

同社はその後、GMの大掛かりな支援を受け、2020年にはボルボ・グループからUDトラックスを買収。2021年には資本提携を一旦解消していたトヨタ自動車とも再度、資本・業務提携するなどで現在に至っています。

垢抜けたエクステリア・デザインがウリの同社だけに、日本でトラック・バスの販売だけに留まっているのは勿体無い気もしますが、提携関係にあるトヨタの販売店で「D-MAX」を扱うにも、同社のハイラックスと被ってしまうのが痛いところ。

ハイラックスに対するアドバンテージは、個性的な外観と余裕のあるディーゼルエンジン出力。そんな「D-MAX」を日本で入手するには、現在のところ、並行輸入専門店に頼るしか手が無さそうです。

Avanti Yasunori

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【関連リンク】

ISUZU「D-MAX」
https://www.isuzuute.com.au/d-max/overview

ISUZU「MU-X」
https://www.isuzuute.com.au/mu-x/overview

この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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