スズキが800cc・フルカウルスポーツ「GSX-8R」を国内販売。価格は114万4000円

■ネイキッドのGSX-8Sがベースのフルカウルモデル

スズキは、2023年11月にイタリア・ミラノで開催された2輪車ショー「EICMA2023(通称:ミラノショー)」で発表した800ccのフルカウルスポーツ「GSX-8R」を、国内導入することを発表しました。

スズキ・GSX-8R(トリトンブルーメタリック)
スズキ・GSX-8R(トリトンブルーメタリック)

ネイキッドモデルの「GSX-8S」をベースに、カウリングやセパレートハンドルなどを装備することで、よりスポーツライディングに適した仕様にしたのがこのモデル。2024年1月25日より発売される予定です。

●独自のスズキクロスバランサー採用

GSX-8Rは、ライダーの年齢やスキルを問わず、街中からワインディング、サーキットまで、多様なライディングを楽しめるスポーツバイクとして開発されたミドルクラスの新型モデルです。

ネイキッドモデルの「GSX-8S」
ネイキッドモデルの「GSX-8S」

ベースとなったのは、スズキが2023年3月に国内導入したネイキッドモデルのGSX-8S。このモデルで注目なのが、新設計の775cc・並列2気筒エンジンを搭載していること。

クランク軸に対して90度に一次バランサーを2軸配置する、独自の「スズキクロスバランサー」を採用したのがこのエンジン。最高出力80PSものハイパワーを発揮しつつも、2気筒エンジン特有の振動を低減していることが大きな特徴です。

非常にコンパクトなエンジンは、車体の軽量・スリム化にも貢献し、軽快で快適な走りを実現します。

スズキクロスバランサー(写真は欧州仕様)
スズキクロスバランサー(写真は欧州仕様)

そんなGSX-8SをベースとするGSX-8Rは、スポーティなフルカウルやセパレートハンドルなどを装備。スズキのスーパースポーツ「GSX-R」シリーズのイメージを継承しつつ、縦2灯の六角形LEDヘッドランプなどにより、個性的なフェイスデザインを生み出しています。

また、エンジンやシートレールを露出させることで機能美も演出。昔のスポーツバイクのような懐かしさと、新しさを融合させた「ネオレトロ」な雰囲気も醸し出します。

●最新の電子制御システムS.I.R.S.も搭載

走行性能では、最新の電子制御システム「S.I.R.S.(スズキインテリジェントライドシステム)」を搭載します。S.I.R.S.とは、多様な制御を持つスズキ電子制御システムの総称。

ツーリングからスポーツ走行、街乗りまで楽しめるスズキ・GSX-8R(写真は欧州仕様)
ツーリングからスポーツ走行、街乗りまで楽しめるスズキ・GSX-8R(写真は欧州仕様)

たとえば、SDMS(スズキドライブモードセレクター)は、あらかじめ設定された3つの走行モードにより、天候や路面状況などに応じたエンジン制御マップを選べる機能です。

最もシャープなスロットルレスポンスとなる「Aモード(アクティブ)」、市街地走行やツーリングなどに最適な「Bモード(ベーシック)」、ウエットな路面などに対応する「Cモード(コンフォート)」を用意します。

また、「STCS(スズキトラクションコントロールシステム)」も採用。これは、前後輪の速度センサー、スロットルポジションセンサー、クランクポジションセンサー、ギヤポジションセンサーの情報により、リヤタイヤのホイールスピンを検出した際、速やかにエンジン出力をコントロールする機能のこと。路面の状況やライダーの経験値などに合わせて、3モード(+OFF)からシステム介入レベルの選択が可能です。

スズキ・GSX-8R(マットソードシルバーメタリック)
スズキ・GSX-8R(マットソードシルバーメタリック)

他にも、ライダーがクラッチやスロットル操作をせずにシフトアップ/ダウンを可能とする「双方向クイックシフトシステム」も装備。ギヤシフトを繰り返す状況でのクラッチレバーの操作回数を削減することで、ライダーの疲労を大きく軽減してくれます。

●カラーバリエーションは3タイプ

足まわりでは、ストローク量130mmのKYB製倒立フロントフォークを採用。専用設計のKYB製リンク式モノショックリヤサスペンションとのマッチングにより、スポーツ走行から長距離走行まで、快適な乗り心地を実現します。

スズキ・GSX-8R(マットブラックメタリックNo.2)
スズキ・GSX-8R(マットブラックメタリックNo.2)

タイヤはダンロップ製スポーツマックス ロードスポーツ2を装着。サイズは、フロント120/70ZR17、リヤ180/55ZR17で、内部構造を車両重量202kgという軽量な車体に合わせた剛性に専用設計。軽快なハンドリングと安定性の両立に貢献します。

カラーバリエーションは、「トリトンブルーメタリック」「マットソードシルバーメタリック」「マットブラックメタリックNo.2」の3色を設定。

価格(税込)は、114万4000円で、前述の通り、2024年1月25日より発売される予定です。

(文:平塚 直樹

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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