ホンダ「S660」がデザイン深化のマイナーチェンジ。「S660 Modulo(モデューロ) X」もこれを追い、両者魅力度アップ【今日は何の日?1月10日】

■人気のS660とS660 Modulo Xが内外装とカラーリングを強化

2020年マイナーチェンジのS660タイプα(アクティブグリーン・パール)
2020年マイナーチェンジのS660タイプα(アクティブグリーン・パール)

2020年(令和2)年1月10日、発売から5年を迎えたホンダの軽オープン「S660」がマイナーチェンジを実施しました。

マイナーチェンジのコンセプトは“デザインの深化”、ヘッドライトやフロントグリルなどが変更されました。また、同様に2018年にデビューした「S660 Modulo(モデューロ)X」も1月31日にモデルチェンジを行い、きらりと光る個性を演出しました。


●復活したホンダの軽オープンは伝統のSシリーズ「S660」

バブル末期の1991年にデビューした2シーターMRオープン「ビート」の生産終了から19年経った2015年に、ビートを継承する形でデビューしたのがS660です。

1991年にデビューしたビート
1991年にデビューしたビート

エンジンは、ビートがNA(無過給)だったのに対して、ターボエンジンを搭載。トルクを太くして中高速域の伸びを向上させて走りに磨きをかけ、トランスミッションは軽初の6速MTとCVTを用意し、CVTには力強い走りの「スポーツモード」と「標準モード」の切替え機構が装備されました。

2015年にデビューしたS660
2015年にデビューしたS660

また、曲がる楽しさを追求して高いコーナリング性能にこだわっているのも、S660の特徴です。MRレイアウトと低重心で理想的な前後重量配分45:55を実現し、さらにアジャイルハンドリングアシストも採用。これは、横滑り防止システム(ESC)を応用して、コーナリング中にブレーキ力を制御して安定させるシステムです。

久しぶりのホンダの軽オープンカーということもあり、発売当初は1年以上の納車待ちとなる人気を獲得しました。

●マイナーチェンジでよりカラフル&スタイリッシュに変貌

2020年のMCのコンセプトは、“デザインの深化”。動力性能に変化はなく、内外装とカラーリングが大きく変更されました。

2020年マイナーチェンジのS660β(アラバスターシルバー・メタリック)
2020年マイナーチェンジのS660β(アラバスターシルバー・メタリック)

グレードには、標準の「βタイプ」と快適装備を追加した「タイプα」があり、ヘッドライトやサブリフレクターの色の変更、フロントグリルのデザイン変更、リアコンビネーションランプ色の変更など。

2020年マイナーチェンジのS660α(アクティブグルーン・パール)
2020年マイナーチェンジのS660α(アクティブグルーン・パール)

またボディカラーについては、モデューロXのみに設定されていたアラバスターシルバー・メタリックが全グレーに設定され、「αグレード」には日本初のアクティブグリーン・パールが用意されました。

車両価格は、タイプαが232.1万円、タイプβが203.17万円に設定。2018年モデルよりも、タイプαは約14万円、タイプβは約5万円高くなっています。

●コンプリートカーのモデューロXもマイナーチェンジで上質かつスポーティに

モデューロXは、ホンダの純正部品を手掛ける子会社「ホンダアクセス」が開発した、専用のエアロパーツ装備や足回りのチューンナップ、さらに内外装のドレスアップが施されたコンプリートカーです。

S660モデューロX(カーニバルイエローII)
S660モデューロX(カーニバルイエローII)

2018年に登場したS660モデューロXは、グリル一体型のフロントバンパーにエアガイドフィンを採用するなどの空力改善、リアのアクティブスポイラーにガーニーフラップ装着、5段階の減衰力調整機構を備えた専用サスペンションやドリルドタイプのディスクローター、スポーツブレーキパッドなどにより、足回りとブレーキが強化されました。

モデューロXのマイナーチェンジでは、S660のデザイン深化に合わせた新色アルミホイールなど魅力的なエクステリアと、アルカンターラの適用部位を拡大したインテリアにより、上質感とスポーティさがさらにレベルアップし、車両価格は304.26万円でした。


この時のマイナーチェンジでは、全体のデザインは大きく変わりませんが、細部に渡る変更が実施され、よりスタイリッシュになってS660の魅力に磨きがかかりました。残念ながら、S660は2022年3月に生産を終了しましたが、今でも人気は衰えず、中古車価格は高騰しているようです。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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