車名はEQC、それともCクラスEV? メルセデス・ベンツ「Cクラス」がついにEV化

■密閉されたフロントグリルを装備、未来的なシルエットに

メルセデス・ベンツは現在、フルエレクトリックのラインナップを熱心に構築していますが、現在の内燃機関「Cクラス」に代わる、フルエレクトリック「CクラスEV」(あるいはECQセダン)市販型プロトタイプをカメラが初めて捉えました。

メルセデス・ベンツ CクラスEV プロトタイプ スパイショット
メルセデス・ベンツ CクラスEV プロトタイプ スパイショット

同社は当初、Sクラスに相当するフルエレクトリックのハイエンドモデル「EQC」からスタートしましたが、現在はより予算に優しいEV発売に向けて準備を進めているようです。

テスラ「モデル3」、BMW 「i4」「ポールスター2」に匹敵するポジションにあるメルセデス新型EVですが、車名はまだ明らかにしていません。

ブランドの既存の命名規則に基づくと、Cクラスの電動バージョンは通常EQCと名付けられるはずですが、2023年初めにビジネス誌に流れた報道によるとメルセデス・ベンツは電動モデルの新たな名称を明示せずに、2024年末までにEQバッジを完全に廃止する可能性があると言い、「CクラスEV」も有力候補と言えるでしょう。

これまで、電動Cクラスサイズのプロトタイプでは、より滑らかなルーフラインを特徴とし、4ドアクーペのように見える電動CLAらしきプロトタイプを捉えていましたが、このプロトタイプはそこまでクーペシルエットではありません。

しかし、優雅さと機能性をシームレスに組み合わせた、洗練された空力デザインを誇り、特徴的なLED、密閉されたフロントグリル、未来的なシルエットを特徴とし、従来の内燃機関の設計からの脱却を示していることがわかります。

メルセデス・ベンツ CクラスEV プロトタイプ スパイショット
メルセデス・ベンツ CクラスEV プロトタイプ スパイショット

CクラスEVでは、「EQS」や「EQE」などの「EVA」プラットフォームに基づいていないことが示唆されているほか、内燃機関を搭載した「Cクラス」や「EQC SUV」のような「MRA II」プラットフォームをベースにしたものでもありません。代わりに、2024年に発表される予定の新しいMMA(メルセデス・ベンツ・モジュラー・アーキテクチャー)プラットフォームをベースにする予定となっています。

MMAは、同社の小型車「エントリー・ラグジュアリー」ファミリーのベースとして宣伝されています。より大きなモデルにも対応できるように設計されており、内燃機関にも対応する反面、電気ファーストのプラットフォームとなっています。

高度な電気ドライブトレイン技術を搭載した「CクラスEV」は、効率を犠牲にすることなく爽快なパフォーマンスを提供。電動パワートレインは瞬間的なトルクを保証し、素早い加速と静かな運転体験を可能にするといいます。また、最先端のバッテリーシステムが搭載されており、1回の充電で300マイル(480km)以上という優れた航続距離を実現、毎日の通勤と長距離旅行の両方に実用的な選択肢となるでしょう。

インテリアでは、持続可能性に対する同社の取り組みに沿って、環境に優しい素材を組み込みます。キャビンには、厳選された木材のアクセント、リサイクルされた繊維、環境に配慮した素材が採用されており、SDGsな高級車の新たな基準を確立といいます。

技術的には、最新世代のメルセデス・ベンツユーザーエクスペリエンス(MBUX)インフォテインメントシステムを搭載。タッチスクリーンインターフェイス、直観的な音声コントロール、シームレスなスマートフォン統合により、未来的でユーザーフレンドリーな運転体験が提供されるほか、より安全でリラックスした旅を実現する自動運転機能など、高度な運転支援機能が装備されると思われます。

CクラスEVセダンのワールドプレミアは、2024年末と予想され、2025年初めに発売される可能性が高いようです。

(APOLLO)

この記事の著者

APOLLO 近影

APOLLO

アポロニュースサービス代表取締役。1965年東京生まれ・世田谷区在住。通信社を経て1996年に独立、レンタルポジ&ニュース配信会社アポロニュースサービスを設立した後、2016年にはカーメディア「Spyder7」編集長に兼任、多数のメディアへ新車スパイショット配信も手掛けております。
通信社入社と同時に新車スクープに関わり、これまで35年間、新型モデル開発を追い続け、現在は新車スクープ原稿を年間800本以上執筆、日本で一番新車スクープ記事を書く男としてギネス申請中!?
続きを見る
閉じる